ご存じ? 今「新日本プロレス」が盛り上がっている臼北信行のスポーツ裏ネタ通信(3/4 ページ)

» 2014年09月18日 06時00分 公開
[臼北信行,Business Media 誠]

悪い流れを断ち切るために

 確かにひと昔前までの新日本プロレスは「コア」であり「マニア」がファン層をほぼ独占していた。1972年にアントニオ猪木が旗揚げ。その過激なストロングスタイルによって「新日本以外の団体はプロレスじゃない」とまで言い切るような、いわゆる“新日信者”たちから圧倒的な支持を得ていたが、2000年代に入ると総合格闘技ブームの波に飲み込まれて人気が低迷。一気に倒産危機へと陥った。

 人気レスラーたちが他団体へ流出するなどの分裂騒動も、そんな「コア」であり「マニア」たちのファン離れに拍車をかけてしまった。

 長年に渡って熱狂的なファンに支えられていたことで新日本プロレスの幹部は甘えが生じ、新しいファン層を獲得する努力を怠っていた。「コア」や「マニア」のファンばかりに頼っていては、総合格闘技や他のプロレス団体と“共食い”を繰り返すだけだ。

 その悪い流れを断ち切るためには「コア」や「マニア」に独占されるようなプロレスではなく、ライトユーザーたちがすんなりと入っていけるような環境を作り上げるしかない。ファンの新規開拓に奔走すべく、木谷氏はさまざまなアイデアを練り上げて見事に新境地を切り開いたのである。

 所属レスラーの1人は、このように打ち明けてくれた。

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