身内同士の争いといっても、オーナーたちも大人なので、表面的に争うことはない。ちょっとした“嫌がらせ合戦”のようなことが起きるのだ。
例えば、こんな事例がある。コンビニの店名というのは住所を元に作られているケースが多い。例えば、○○(チェーン名)千代田区1丁目店という感じだ。同一商圏になると、「○○千代田区2丁目店」というように、ほぼ変わらない店名となる。この似た店名が争いの火種となるのだ。
千代田区1丁目店は、アルバイト募集をしている。アルバイトは面接で、近隣の千代田区2丁目店に間違って行ってしまう。2丁目店は、面接の予定はないので間違いであることはすぐ認識できるのだが、そのことは言わずに面接を実施する。そして、「不採用」と連絡する。なぜそんなことをするのか? アルバイトを募集している1丁目店は貴重な戦力になると思っていたのに、知らないうちにそれを失うのだ。
不景気のときであれば、店に「アルバイト募集」のポスターを貼っていれば、多くの人から応募の連絡が入る。しかし、今のようにちょっと景気がよくなってきたかなとなれば、すぐに人手不足に陥る。なので、面接に来ると思っていた人が来ないことは、お店にとって痛手になるのだ。
じゃあ、面接に来なかった人に連絡すればいいのでは? と思われるかもしれないが、1丁目店が応募者に連絡することはない。なぜならば、面接の応募をしておきながらドタキャンすることはよくあるからだ。1丁目店のオーナーは仕方がないので、アルバイトの応募がないかなあ、と電話の前で待つことになる。
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