表示の規制緩和を潰そうというこのタイミングで、まるでアリバイづくりのように「注意喚起」の体で表示のネガをふれまわる。「監督官庁」がここまでベタなマッチポンプしていいのかしら、と思わず首を傾げてしまうが、「消費者の皆様へ」というファイルを見てさらに目を疑った。
「1粒飲むだけ! 超かんたんダイエット!?」というキャッチコピーのサプリメントに対して、女性が「?」と首をかしげて、こんなことを言っている。
「このような広告 本当かしら?」
だから“このような広告”を変えようとしているんでしょ、と思わずツッコミを入れてしまいたくなるが、このタイミングでこういうビラを配布しようというセンスが分からない。というか、サプリメントに「機能」がうたえるようになれば、「このような広告」も駆逐されるわけだから、厳密にはもはやネガキャンにすらなっていない。とにかくなんでもいいからサプリのネガを出しとけということか。
昨年、安倍首相が規制緩和を言い出した直後、厚労省の研究班が、市販されている健康食品の約4割に、体内で薬や毒物の成分を分解、排出する「薬物代謝酵素」の働きを促す作用があり、医薬品の効き目を低下させるなんて研究結果を公表した。
ただ、これは別に目新しい話ではなく、米国でサプリの規制緩和があった時も、似たような“エビデンス”がバンバン医学界から飛んできた。そういう意味では、消費者庁がこんなムチャなネガキャンを仕掛けなければいけない事情もだいたい察しがつく。
安倍さん、この人たちガチであなたの成長戦略を潰しにきていますよ。
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