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» 2014年05月09日 08時00分 UPDATE

杉山淳一の時事日想:地方鉄道とパークアンドライド──観光鉄道を生かせない「アプローチ路線」の機会損失 (1/5)

鉄道とクルマはライバルではない。むしろパートナーだ。地方鉄道では二つの意味で「パークアンドライド」の導入が進んでいる。一つは通勤、もう一つは観光客の誘致だ。実は後者には「中抜け」されるアプローチ線の機会損失がある。

[杉山淳一,Business Media 誠]

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

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1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。2008年より工学院大学情報学部情報デザイン学科非常勤講師。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』、『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。 日本全国列車旅、達人のとっておき33選』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP


 地方鉄道、とくに観光路線はマイカーを歓迎している。

 静岡県の大井川鐵道は新金谷駅に駐車場を用意している。料金は普通車で1日800円、1泊2日で同1500円。同社Webサイトの「交通アクセス」の項目(関連リンク参照)は、「お車でお越しの方」が上で「電車でお越しの方」が下にある。千葉県のいすみ鉄道の公式サイトも「お車でお越しの方」という項目がある。同社の中心的な駅「デンタルサポート大多喜駅」付近には町営駐車場があり、普通車は1時間無料、同じく4時間まで300円、24時間で500円である。また、いすみ鉄道の国吉駅付近には無料駐車場もある。

 観光客向け駐車場を備えた地方鉄道と言えば、先駆者は黒部峡谷鉄道だろう。起点の宇奈月駅前には大型バスの駐車場があり、各地から大型観光バスがやってくる。その奧にはマイカー用の駐車場もあって、料金は普通車で1日900円、1泊2日で1100円だ。

 観光鉄道に乗る旅だからといって、自宅最寄り駅から現地まで列車で行く必要はない。家族連れやグループ旅行なら、クルマのほうが便利で楽しい。地方鉄道はそうした旅行需要に取り組んでいる。

photo 黒部峡谷鉄道宇奈月駅前。各地から観光バスが頻繁に往来する
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