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» 2013年12月13日 09時00分 UPDATE

プレミアムブランドの育て方:「クルマを使ったプロモーションが刺さらない」――レクサスがたどりついた結論とは? (1/5)

夜の博物館を小型ロボットヘリが飛びまわる動画が話題になった。レクサスのプロモーション動画だ。クルマへの興味を失った人が増えていく中、レクサスのブランディングチームは従来と異なる方法を模索している。

[岡田大助,Business Media 誠]

 北米で生まれ、2005年に日本へと“上陸”した高級車ブランド「レクサス」。およそ10年の活動を経て、「プレミアム」路線というブランディングの舵を微修正し始めている。レクサス インターナショナルでブランドマネジメントを担当する河辺徹也主幹に、いまレクサスのブランディングに何が起きているのかを聞いた。聞き手はBusiness Media 誠編集部の岡田大助(以下、敬称略)。

河辺徹也 レクサスのブランディングを担う河辺徹也さん

レクサスのイメージ、「高い」「黒塗り」「後席に乗る」

岡田: 最近、レクサスの広報活動が変わってきているとお聞きしました。レクサスといえばクルマのメーカー。にもかかわらず、最近ではクルマが登場しないようなブランディング活動もさかんに行なわれていると。今、レクサスに何が起こっているのでしょうか?

河辺: 岡田さんにとって、レクサスのイメージって何でしょうか? 率直なところを挙げてみてください。

岡田: そうですね。まず、トヨタ自動車の高級車ブランドということ。価格帯も高級ですね、なかなか手がでません。それから、あくまでも主観的な意見ですが、最近ではスピンドルグリルを始め、とんがったデザインでカッコよさをアピールしているかなとも思います。好き嫌いはあると思いますが、私は好きなほうです。そして最後に……、気軽にディーラーに入れないイメージでしょうか?

レクサスRC 東京モーターショーで世界初披露を行なった新モデル「レクサスRC」

河辺: ははは(笑)。確かに、世間一般の人が抱くレクサスのイメージは、「高いクルマ」「後席に乗るクルマ」「黒いクルマ」「霞が関や永田町で見かけるクルマ」といったところでしょう。欧州で「プレミアムカー」と言われているようなクルマのイメージから離れたところにレクサスがポジショニングされてしまったと反省しているところなのです。

岡田: もともと目指していたレクサスのイメージとはどのようなものだったのでしょうか?

河辺: レクサスとは「カッコイイ」ブランドだったはずなんです。そして、もっと「新しい価値」を提供していくブランドでなければならない。ですが、この10年、われわれはレクサスを「クラウン」ユーザーに売り続けてきました。

 今でこそ「ピンクのクラウン」で新しい価値を提示していますが、やっぱりクラウンはかつての名コピーのいうとおり「いつかはクラウン」というクルマなのです。そのクラウンに乗っているお客さんは法人や年配ユーザーが多い。その人たちに「いつかはクラウンの次に乗るクルマはレクサス」とアプローチしていった結果、先ほどのようなイメージになってしまったのです。

岡田: 私みたいな若造がレクサスディーラーに入りにくさを感じるのは、人生のそのステージにたどりつけていないからなのかもしれませんね(笑)。今日は、そのブランドイメージをどのように変えていくのかについて教えてください。

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