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» 2013年11月20日 07時30分 UPDATE

藤田正美の時事日想:中国が抱える最大の国内問題とは? (1/2)

中国の習近平政権が重要視していた3中全会が終了した。習主席が意気込むほど“改革的”であるように見えなかったものの、外国メディアは総じてこの3中全会に好意的だ。そこで、現在中国が抱える問題を整理してみる。

[藤田正美,Business Media 誠]

著者プロフィール:藤田正美

「ニューズウィーク日本版」元編集長。東京大学経済学部卒業後、「週刊東洋経済」の記者・編集者として14年間の経験を積む。1985年に「よりグローバルな視点」を求めて「ニューズウィーク日本版」創刊プロジェクトに参加。1994年〜2000年に同誌編集長、2001年〜2004年3月に同誌編集主幹を勤める。2004年4月からはフリーランスとして、インターネットを中心にコラムを執筆するほか、テレビにコメンテーターとして出演。ブログ「藤田正美の世の中まるごと“Observer”


photo 天安門に車が突っ込む事件が2013年10月に起きたが、中国の国内問題として新疆(しんきょう)ウイグル自治区に代表される少数民族問題は無視できない(中国版Twitter「微博」の画像)

 中国の習近平政権が発足して1年。最も重要な会議として位置づけられていたいわゆる3中全会(第18期中国共産党中央委員会第3回全体会議)が11月12日に終了した。そこで決まった中国の「青写真」は評価が難しい。改革を進めるか、先延ばしにするか、具体的にどう動くかまだ見えないからである。

 中国が抱える問題は多岐にわたる。まず、社会主義をうたいながらアメリカよりも拡大してしまったとされる「貧富の格差」。いまだに大きな権力を握り、市場原理を歪める存在となっている国有企業。格差を助長する原因となっている戸籍制度(都市と農村間で人口移動の制限している)。地方政府の「乱開発」とそれに伴う債務の増大や、天安門での車炎上事件などで現れた少数民族問題も無視できない。

 今回の決定でも、資源配分のために市場原理を重視すると言う一方で、国有という形を守ると言った。もちろん、一気に変革することはできないにしても、この3中全会の決定が習主席が意気込むほど“改革的”であるように見えないのはそのためだ。

 腐敗一掃という観点では現政権の意欲は強い。元重慶市共産党委員会書記である薄熙来(はくきらい)氏の横領/収賄疑惑おける裁判では、被告があくまでも有罪を認めずに抵抗するという(中国では)珍しい展開になったが、それもWeb上で情報を流して透明性を強調した(言葉を換えれば、権力闘争ではなく反腐敗闘争だと言いたかった)。国有企業が独占している石油産業で党幹部の子弟などが甘い汁を吸っていたところに切り込み、共産党幹部などに賄賂などを贈ることでビジネスをしていた外国企業にもメスを入れた。

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