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» 2013年10月15日 08時00分 UPDATE

窪田順生の時事日想:刃物を手にして「元カノ」の家に忍び込むワケ――あるストーカーの告白 (1/4)

三鷹市の女子高生・鈴木沙彩さんが、かつて交際していた無職・池永チャールストーマスに殺された。「警察は適切な対応だったのか」が論点になっているが、筆者の窪田氏は問題の根っこは違うところにあるという。それは……。

[窪田順生,Business Media 誠]

窪田順生氏のプロフィール:

1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、『フライデー』の取材記者として3年間活動。その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌でルポを発表するかたわらで、報道対策アドバイザーとしても活動している。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『死体の経済学』(小学館101新書)、『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)がある。


 またしても、いたましい事件が起きてしまった。

 ドラマなどにも出演するなど芸能活動もしていた三鷹市の女子高生・鈴木沙彩さん(18歳)が、かつて交際していた無職・池永チャールストーマス(21歳)に刺し殺されたのである。

 三鷹署に相談した直後の悲劇。しかも、4日前には杉並署にも相談していたことが明らかになり、「警察は適切な対応だったのか」なんてことが論点になっているようだが、個人的には問題の根っこはそこではないと思っている。

 警察というのは、みなさんが考えている以上に、この手の犯罪に対して無力だからだ。

 今から10年ほど前、池永みたいな男を取材したことがある。

 彼は、かつて交際していた女子高生の自宅に深夜忍び込んで、メッタ刺しにして全治9カ月の重傷を負わせた。女子高生と家族はかねてより警察にストーカー被害を訴えており、その最中の犯行だった。男は家族が寝静まったのを見計らって、家の裏手にある浴室のガラスを割って侵入した。

 拘置所から手紙をもらって面会をしてみると、チャールストーマス同様のイケメン。話してみると、とてもそんな凶行に走りそうもないごく普通の若者だった。まさしく今回の事件と瓜二つだが、ただひとつ違う点がある。

 女子高生が血まみれになっていた時、自宅前では警官2名がパトカーにのって警戒中だったのだ。

yd_kubota1.jpg 警察は「ストーカー」に対して無力!? (写真はイメージです)
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