コラム
» 2013年09月23日 10時00分 UPDATE

サカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」:なぜ就活生はバイト経験をアピールし、人事はそれを無視するのか (1/3)

あなたは就職活動のとき、自分が学生時代にどんなアルバイトをしていたか懸命にアピールしませんでしたか? しかしある単純な理由により、企業は採用時にそれを重視しません。就活生と企業の間のギャップが10年たっても埋まらない訳とは……。

[サカタカツミ,Business Media 誠]

連載「就活・転職のフシギ発見!」とは?

 就活や転職、若年層を中心としたキャリアについて、仕事柄仕方なく詳しくなったサカタカツミが、その現場で起きている「当事者たちが気付いていないフシギ」について、誰にでもスルッと理解できるように解説するコラム。

 使えない部下が毎年出現するのはなぜなのか? その理由も、垣間見えるはずです。

著者プロフィール:サカタカツミ

 クリエイティブディレクター。1967年生まれ。長年、就職や転職、キャリアに関するサービスのプロデュースやブレーンを務めている関係で、就活や転職には詳しい。直近でプロデュースしたサイトは「CodeIQ」。著書に『こんなことは誰でも知っている! 会社のオキテ』『就職のオキテ』がある。

 個人的に書いている就活生向けのブログは、なぜか採用担当者たちから「読んでいて心が痛くなります。ホントにつらいです」という評価を受けている。Twitterアカウントは@KatsumiSakata


バイトという言葉に、東大総長・矢内原忠雄は驚いた

ay_sakata01.jpg 1959年に発行された『東京大学学生アルバイト10年史』。古書として手に入れたので、カバーがかけられていたのかどうか、今となっては定かではありません

 先週のこのコラムで「バイト」という言葉を何度もタイプしながら、私は書棚に入っているある本のことを思い出していました。それは『東京大学学生アルバイト10年史』という冊子です。東京大学「学生アルバイト委員会」なる組織が、1959年に編集発行した非売品。

 序言には、戦後の混乱期、無秩序に行われつつあった学生アルバイトに秩序と統一とを与え、学生アルバイトの斡旋を組織化した日本初の試みであると誇りながら、その記録を残さねばと本にしたと書いてあります。戦後におけるわが国社会生活の学生からみた一断面での記録でもある(本文序言より引用)と書かれている通り、中身もとても興味深いものです。

 例えば、経済学者で東大総長でもあった矢内原忠雄は、この本の中で「バイト」という言葉を初めて聞いて驚いたと書いています。この本を注意深く読んでみると、学生アルバイトと書かれてはいても、バイトとは書かれていません。1959年当時、バイトという話し言葉は既に存在していたけれど、書き言葉としてはいまだふさわしくない状況だったのかもしれない、などと想像しながら読み進めると、あっという間に夜更けになってしまう、そんな本なのです(私が面白がりすぎなのかもしれませんが)。


ay_sakata02.jpg 『東京大学学生アルバイト10年史』より
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