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» 2013年08月19日 07時00分 UPDATE

サカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」:「就活地獄」報道は本当か――就職氷河期と企業の採用満足度の関係性 (1/3)

就活が厳しすぎて学生が疲弊している、就活に失敗して自殺者も……といった報道をよく見かけます。しかし本当に、最近の就職活動は大変なのでしょうか? 直近16年分のデータを、企業側、学生側の両方から見てみましょう。

[サカタカツミ,Business Media 誠]

就活生は大変であるという話は、すでに過去のこと?

 先日、何気なく誠を眺めていたら、こんな記事に出くわしました。

 →就活を漢字一文字で表すと――「苦」?「楽」?

 詳細は記事をご覧いただくとして……ここ2年ほどで就活生を取り巻く環境が大きく変化していることは、採用担当者や人材系のビジネスを展開している企業などの間では周知の事実です。しかし、メディアなどでは相変わらず「就活生はとても大変で、学生が疲弊している」「就活は生き地獄」といった話が花盛り。なぜそうなってしまうのか、というネタバラシをすると意外にややこしくなってしまうのでここではしませんが、最近の就活生が「実際、どんな感じなのか」を、データや雑感を交えて、少し紹介してみることにしましょう。

 まずは、先ほどの調査から。楽という文字が就活を表す漢字として一位になっています。そう、イマドキの就活生にとって、就活は楽なのです。記事によると「楽」が1位になるのは2009年卒の学生以来のこと、とあります。実は2009年卒の就活生とは「氷河期再来」といわれる直前の時期に就活に取り組んだ学生です。この時期の就活は確かに楽でした。企業の採用予算も潤沢で、ゴージャスなインターンシップがたくさん行われ、優秀な学生には早々と内定が出て、しかも、複数内定という学生がザラでした。

 しかし、2010年卒の学生になると急転直下。新卒採用が縮小、採用基準も厳しくなり、環境は大きく変化します。実は、この時期の就活生は一番悲惨で、大学3年生の早期に活動していた学生は前年度の「就活楽勝」のムードを引き継いで就活をスタートさせたのに、いざ選考が始まる段階になると企業が極端に絞り込みをし、多くの学生が戸惑ってしまうという事態になりました。当時私が採用のプロデュースをしていた企業でも「採用予定100名→35名→10名」という状況になってしまい、就活当初に「囲い込んでいた」優秀な学生を次々と手放さなくてはならなかったことを、今でも覚えています。下記の表を見れば、この時期に「採用基準」を尋常ならざる勢いで企業が厳しくした、ということが一目瞭然です。

ay_skt01.png 企業が新卒学生を採用する基準の経年変化(出典:2014卒マイナビ企業新卒採用予定調査)

 それが2012年卒を境にして、緩やかに採用基準が緩和され、今では楽だったという時代とほぼ同水準になっています。厳しいぞ、大変だぞ、と脅されて就活を始めてみたものの、実際はそうでもなかった、楽だった……そう回答する就活生が多いのも、あながち間違いではないのです。

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