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» 2013年03月21日 08時00分 UPDATE

日本人が気づいていないヘンな日本語:外国人が混乱する、まぎらわしい日本語とは (1/2)

ビジネスシーンで、ハッキリ「NO」という日本人は少ない。謙虚を美徳とする社会で、相手の気持ちを思いやった日本ならではの独特の言葉づかいなのだが……。第2回は、日本語の遠回しな表現について勉強していこう。

[デイビッド・セイン, 長尾昭子,Business Media 誠]

日本人が気づいていないヘンな日本語:

book

 この連載は書籍『日本人が気づいていないちょっとヘンな日本語』(アスコム)から抜粋、再編集したものです。

 日常会話でよく使う日本語なのに、実は日本人自身もよく分かっていない。よく使うけど、考えてみたらちょっと不思議な日本語……。そんなこと、ありませんか?

 「ピンからキリまで」の「ピン」って何のこと? とか、「全然OK」は間違った使い方と言われるけど、実は間違いではないって知っていましたか?

 私たち日本人が「当たり前」と思っていることも、外国の人たちから見ると「ヘンだよ、おかしいよ」ということがたくさんあります。間違った日本語ということではなく、外国人の目から見て奇妙に見えるということです。

 この本では、英語教師デイビッド・セイン氏が持つ日本語の疑問について、日本語教師である長尾昭子氏が答えていきます。みなさんも、質問に登場する「日本語」の中に「日本語のおもしろさ」を再発見できるはずです。「ヘンだけどおもしろい日本語」の世界を、一緒に探検してみませんか。


著者プロフィール:

デイビッド・セイン

アメリカ出身。英会話学校経営、翻訳、英語書籍・教材製作などを行うクリエイター集団「エートゥーゼット」の代表。これまで累計350万部の著作を刊行してきた英語本のベストセラー著者。日本で30年以上の豊富な英語教授経験を持ち、これまで教えてきた日本人生徒数は数万人に及ぶ。


長尾昭子(ながお・あきこ)

 公益社団法人国際日本語普及協会(AJALT:文化庁所管の外国人への日本語普及・教育機関)講師。慶応大学卒。欧米人のビジネスパーソンや外交官の間で大人気の教師で、教科書作成や日本語教師向けの雑誌への連載執筆の実績多数あり。


「考えさせてください」はまぎらわしい表現!?

セイン:まぎらわしい日本語の表現としてよく出てくるのが、政治家や役人が使いそうな言葉です。「前向きに善処(ぜんしょ)します」なんて聞いたら、知らない人は「すごくがんばってくれそう!」と感激してしまいますね。

 ぼくも日本に来たばかりのころ、仕事先にちょっとムリそうなお願いをしたら担当者は「うーん、ちょっと考えさせてください」と言うんです。ぼくはてっきり「OKなのかも!」とぬか喜びしてしまいました。

 あ、「ぬか喜び」って、この使い方で合ってますか?

長尾:はい、大丈夫です。政治家やお役所の言葉は本当に独特ですよね。日本人でも知らないことがポンポン出てきます。例えば「慚愧(ざんき)に堪えない」という、日常ではとても使いそうにない大げさな表現がありますが、本音は「すみません。反省してます」ということなんです。

 もともとの意味は、「慚」も「愧」も恥じることなので、「あまりに恥ずかしくてたまりません」といったところでしょう。以前、年金未納が発覚した政治家が役職を辞任する会見で使っていました。

セイン:政治家が大げさな表現を使うのは、たぶん世界中どこでも共通だと思うんですが、日本の政治家の言葉はYESかNOかがはっきりしないですね。それはたぶん日本だけのことだと思います。

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