本当に? ミドリムシで飛行機が飛ぶ日仕事をしたら“ミドリムシ”が増えた(後編)(1/6 ページ)

» 2013年01月30日 08時14分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

仕事をしたら“ミドリムシ”が増えた:

 「ミドリムシ」と聞いて、どんなことを想像するだろうか? 知らない人の多くは「青虫じゃないの?」と答えるのでは。中には学生時代の理科の授業を思い出し、「ミトコンドリアのようなもの?」と言う人もいるだろう。残念ながら、いずれも答えは「否」だ。

 ミドリムシ(学名:ユーグレナ)の体長は0.1ミリ以下で、藻の一種である単細胞生物。植物と動物の間の生き物なので、両方の栄養素を作り出すことができるのだ。その数は、なんと59種類にも及ぶ。それだけでなく、体内に二酸化炭素を取り入れ、太陽のエネルギーから光合成を行うことができたり、体内に蓄えた油を使って飛行機の燃料として使えるかもしれないのだ。

 「食糧、栄養、地球温暖化、エネルギー。これらの問題は『ミドリムシ』が解決する」――こう語るのは、昨年12月に東証マザーズに上場したユーグレナの出雲充社長だ。現在、沖縄の石垣島でミドリムシを大量培養しているが、ミドリムシを研究することでどんなことが分かってきたのか。Business Media 誠編集部の土肥義則が、話を聞いた。前後編でお送りする。


“たかみな”のようなミドリムシ

石垣島をイメージした部屋で記者の質問に答えてくれた、ユーグレナの出雲充社長

土肥:ユーグレナはミドリムシの大量培養に成功されました。中でも栄養素をたっぷり持っているミドリムシを大量生産すれば、食糧問題などが解決するかもしれない。前編ではミドリムシのことを知らない人にとっては信じられない話を紹介しましたが、信じられない話はまだまだ続きます。出雲社長は著書の中で「ミドリムシを使って、飛行機を飛ばすことができる」と書かれていますが、本当にそんなことができるのでしょうか?

出雲:できますね。

土肥:小さなミドリムシの中に油があるとか?

出雲:そうです。でも、それは不思議なことはではありません。ゴマもゴリゴリと砕けば、ゴマ油が出てきますよね。大豆であっても、ひまわりの種であっても、同じこと。植物をすりつぶすと、多くのモノから油が出てくる。ミドリムシはゴマの実よりもずいぶん小さいのですが、振動や超音波を使って、小さなミドリムシをビリビリに破ると、体内に溜まっている油が出てくるんですよ。プカプカと。

土肥:ほー。

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