本当に? ミドリムシで飛行機が飛ぶ日仕事をしたら“ミドリムシ”が増えた(後編)(2/6 ページ)

» 2013年01月30日 08時14分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

出雲:発想としては、ゴマの油と全く同じですね。

土肥:出雲社長は「食糧問題などを解決したい」という思いがあって、ミドリムシに注目されました。そのときから「油も……」と考えていたのでしょうか?

出雲:そんな考えは、全くありませんでした。そもそも知らなかったので、「まさか……」という感じですね。前編でもお話したとおり、私は59種類の栄養素を持つ“センターのミドリムシ”が大好き。AKB48でいうと、前田敦子さんや大島優子さんですね。さらにミドリムシのことを学んでいくうちに、“たかみな”(高橋みなみ)のようなミドリムシがいることが分かりました。

 ただ私たちは油を分析することができません。専門家ではありませんので、そもそも油を分析する装置すらありません。

土肥:そういった状況で、どのようにして“たかみな”のようなミドリムシを発見されたのでしょうか?

出雲:2007年の11月、私はサンフランシスコで開催された「第1回 アルジバイオマスサミット」に出席しました。このサミットのテーマは、クロレラなどの微細藻類から、再生可能なバイオマスエネルギーをいかに取り出すかというものでした。そしてサミットのパーティで、新日本石油(現在はJX日鉱日石エネルギー)の研究者と出会いました。

 その人は世界中のありとあらゆる植物からできるバイオ燃料を調べまくっていました。ひまわりをしぼるとどうなるの? 大豆をしぼるとどうなるの? 松ぼっくりをしぼるとどうなるの? といった感じで、とにかくしぼりまくっているんですよ。そしてミドリムシの話になったときに、「しぼってみるか」ということになりました。

飛行機の燃料に適しているミドリムシがいた(出典:ユーグレナ)

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