観光列車と新幹線で景気回復? 2013年の鉄道業界杉山淳一の時事日想(3/4 ページ)

» 2013年01月11日 08時02分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

観光イベントと連動したプロモーションも増える

 JTBの国内旅行のトピックは5つで、そのうちひとつは鉄道。では残り4つはどうかというと、これも鉄道の需要拡大に貢献しそうだ。まずは「東京観光」の大ブームが来る。東京スカイツリーの人気は定番化し、東京駅復原と絡めた観光スタイルが人気らしい(関連記事)。さらに今年は4月2日に新しい歌舞伎座のこけら落としが行われる。これをきっかけに、全国の高齢者が東京観光に繰り出すかもしれない。

 若い人、ファミリー向けにはキラーコンテンツがある。東京ディズニーランドが4月15日に開園30周年を迎えるのだ。運営会社のオリエンタルランドによると、4月15日から来年3月20日まで「東京ディズニーリゾート30周年“ザ・ハピネス・イヤー”」と題した催し物を実施していくとのこと。JRは夏休みなどに各地から最寄りの舞浜駅行きの臨時列車を運行しており、今年も活況となるだろう。新たな出発地が設定されるかもしれない。こうした臨時列車は定期列車が走行しない線路を通る場合があって、鉄道ファンも密かに注目している。

 次に「伊勢神宮の式年遷宮と出雲大社の本殿遷座祭(ほんでんせんざさい)」が挙げられている。伊勢神宮については前述のように近鉄の「しまかぜ」がデビューする。JR東海の動きがまだ見えないが、春の臨時列車から、式年遷宮を意識した増発やキャンペーンなどが行われるだろう。手始めとして、3月16日のダイヤ改正では、東京発「のぞみ」と伊勢方面の快速「みえ」14本の接続が改善される。

 60年に1度という出雲大社の本殿遷座祭は5月10日から。東京発出雲市行きの寝台列車「サンライズ出雲」は個室寝台が多く女性客に人気な列車だ。大阪からは直通する特急がなく、現状では山陽新幹線の岡山から在来線特急に乗り換えるか、在来線特急を鳥取などで乗り継ぐ形になる。これも直通列車があると便利ではないかと思う。

近鉄新型観光特急「しまかぜ」(出典:近畿日本鉄道)

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