これまでのベルルスコーニの発言に対して、イタリア人のイメージを悪くするという批判が国内から出ていた。とにかく首相とは思えないものばかりなのだ。いくつか紹介してみたい。
イタリアに緊縮財政を押し付ける当事者であるドイツのアンゲラ・メルケル首相のことを「色気のかけらもないデブ」と呼ぶ。ちなみにイタリアで開催されたサミットで、街灯の後ろに隠れたベルルスコーニは、イタリア語で「Cou-Cou(いないいないばー)」と突然登場し、彼女を驚かせようとしたおバカな場面もあった。
2003年のサミットでイタリアが議長国を終了した際には、「じゃあみんなでサッカーと女性について話をしようではないか」と切り出し、当時ドイツ首相だったゲアハルト・シュレーダーに向かって「ゲアハルト、君からはじめてくれ」と話を振った。ちなみにシュレーダーは過去に4度結婚している。
ドイツ訪問ではこんな発言をしている。「イタリアでは私は、仕事中毒だからドイツ人のようだとみられることもある……仕事、仕事、仕事。私はほとんどドイツ人だとみられている」
オバマ米大統領へのコメントは有名だ。黒人であるオバマの印象を「ハンサムで、若くて、日焼けしていた」と語り、黒人差別だと批判を浴びた。さらにファーストレディのミシェル夫人に対しても「信じられないだろうが、彼らは一緒にビーチにいったらしい。奥さんも日に焼けている」。
ミッシェル夫人が、ドイツのメルケル首相や当時の英首相だったゴードン・ブラウンとは挨拶でハグ(抱擁)したにも関わらず、ベルルスコーニとは握手だけで済ませた気持ちも分からなくない。
イタリアに対しても「吐き気がするこのクソみたいな国をもう少しで去ることができる」といったことが判明。さらに「この国の女性にオレとセックスがしたいかと聞いたら、30%が『はい』と答えて、あとの70%は『え、何! もう一回彼と?』と答えた」と発言。ニューヨーク証券取引所では「イタリアに投資するもう1つの理由は、美しい秘書がいること……最高の女たちだ」。
売春疑惑で捜査対象になって当局から電話を盗聴された際に録音された話も表に出ている。「昨晩、11人の女がいて、8人とだけしかできなかった。それ以上は無理だった。さすがにみんなとは無理だな。でも今日朝目覚めたら気分が良かったよ、自分のスタミナに満足している」
このような自分に対するおバカ発言も多い。薄くなった髪を植毛したのだが、「私の髪が薄いのは、脳みそが大きすぎて髪の毛を押し出してしまうからだ」と語った。
ちなみにベルルスコーニは、自分の背の低さをかなり気にしている。それでこんな発言もした。「私よりも物事を達成したのはナポレオンだけだ……でも間違いなく私のほうが背は高い」。さらに「私をチビという人がいるが、サルコジ(当時のフランス大統領)とプーチン(ロシア大統領)よりは背が高い」と発言している。
ベルルスコーニの復活とともにこんな調子の発言もまた復活することになるだろう。トンデモ発言を繰り返すベルルスコーニが、世界中のメディアに話題を提供していることは否めないが。
もっとも多くのイタリア人にしてみれば、こんな風にイタリア人が取り上げられるというのはやはり「頭が痛い」に違いない。
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