なぜピンとこなかったのか。
1つ目の理由は、私の考えに近いとサイトが選び出した政党が新興勢力であり、かつ大きな支持母体を持っていない点。換言すれば、苦戦が予想されるのだ。各種の選挙予測をみても、「マニュフェストマッチ」が選んだ私向きの政党の公約・マニフェストの実現性が乏しいのではないか、との疑問が湧いた。
もう1つの要因は、政党名が伏せられていたため、党の顔である党首・代表、各候補者の人柄などをうかがい知ることができない点。もちろん、あえて人間のキャラクターという要素を排除し、公約・マニフェストから抽出するというサービスの趣旨から外れていることは承知しているのだが、総選挙特有の“熱気”が感じとれなかったのだ。
お叱りを承知で、私なりの投票基準を披露させていただく。
自分の関心の高い公約一本のみに絞り込むのだ。
私がただ1つ関心を持つのは、先の東日本大震災の復興を真剣に考えている党、あるいは候補者だ。先週、東京も震度4の地震に見舞われたように、昨年来の震災の余震は依然続いている。被災地の復興がこれほど遅れていることとも合わせ、国民の生命を第一義に考えない政党と候補者はごめんだ。
なぜこんなことを言うかと言えば、主要政党、候補者がさまざまな公約、換言すれば耳障りの良いフレーズの数々を口にしているが、これを全て選挙後の国会で通すのは至難の業だと考えるからだ。
衆院で過半数を獲得する勢力が新たに生まれたとしても、参院での審議が控えている。衆院選の過程で多くの政党が乱立、合従連衡を繰り返したため、「どの勢力が衆院で第一党となっても、参院とのねじれ状態は解消されない」(大手紙政治部記者)からだ。
言い換えれば、今回の衆院選で取り上げられた主要なテーマは、ぐずぐずと来年夏、あるいは秋以降まで棚上げにされる公算さえある。
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