どこに、誰に入れるの総選挙? 身近な公約一本に的を絞れ相場英雄の時事日想(1/3 ページ)

» 2012年12月13日 08時00分 公開
[相場英雄,Business Media 誠]

相場英雄(あいば・ひでお)氏のプロフィール

1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。その後兜記者クラブで外資系金融機関、株式市況を担当。2005年、『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『震える牛』(小学館)、『偽計 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎』(双葉社)、『鋼の綻び』(徳間書店)などのほか、漫画原作『フラグマン』(小学館ビッグコミックオリジナル増刊)連載。ブログ:「相場英雄の酩酊日記」、Twitterアカウント:@aibahideo


 衆議院選挙の投開票まであと3日に迫った。大都市や地方都市の街頭に各党の党首が現れ、住宅街を個別候補者が走り回るのもあと数日。だが、多くの読者がご存じのように、今回は大小さまざまな政党が乱立する異例の選挙戦が展開中だ。多くの党がさまざまな公約・マニフェストを掲げてアピールしているが、どうもいまひとつ分かりにくい。かつて大手マスコミに勤務し、一般の読者よりも多少選挙の内情を知っているつもりの私も同様なのだ。どうやって候補者を選び、支持政党を見出すか。私なりに悩んでみた。

乱立すぎる

 「デフレ脱却」「インフレ目標」「原発問題」「TPP」「消費税」……。

 私が選挙権を得てから早くも25年が経過した。基本的に全て投票に出かけているが、今回ほど公約や争点が乱立し、焦点がぼやけている選挙はない。多くの読者も同じような感覚を抱いているのではないか。

 大手メディアの報道をチェックしても、乱立する各党を平等に扱うという「公平感」に配慮してか、それぞれの公約・マニフェストの詳細に踏み込んだものは少ない。結果として、どの党、どの候補者がどのような政策に注力していくのかがぼやけてしまっている感が否めないのだ。

 一応、私自身は大手紙の総選挙特集や各種テレビの討論番組などをチェックしているが、争点が多過ぎ、かつ党が乱立しすぎているため、投票に結びつく私なりの「決定打」を持てずにいた。

 そこで友人に教えてもらったYahoo! の「衆議院選挙2012 マニフェストマッチ」を試してみた。

 このサイトには、多数の公約・マニフェストが政党名を伏せた上で掲載されている。ユーザーが「税制・財政運営」「景気対策」「医療・年金・子育て」などの項目において、自分の支持する政策をチェックしていくと、最終的に自分の考えに合致する政党、あるいは支持できそうな政党の名前が出てくるサービスだ。

 実際に私自身もやってみた。

 個人的な政治信条を言わせてもらうと、「民主党の政権運営のドタバタはもうウンザリ、かといって自民党に時計の針を戻すのはもっとイヤ」。

 こうした前提を踏まえた上で、マニュフェストマッチの「原発問題」「消費税」などの項目に回答していくと、複数の新しい政党の名が画面に現れた。だが、正直なところピンとこなかった。

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