コラム
» 2012年10月26日 08時00分 UPDATE

ライバルはアマゾン、自治体運営のネットショップ「F&B良品」 (1/2)

佐賀県武雄市が2011年11月に開始した自治体通販「F&B良品」。当初2アイテムの販売から始まったF&B良品は現在70品目まで増え、今年の年商は1000万円を突破する見込みだという。

[松尾順,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:松尾順(まつお・じゅん)

早稲田大学商学部卒業、旅行会社の営業(添乗員兼)に始まり、リサーチ会社、シンクタンク、広告会社、ネットベンチャー、システム開発会社などを経験。2001年、(有)シャープマインド設立。現在、「マインドリーディング」というコンセプトの元、マーケティングと心理学の融合に取り組んでいる。また、熊本大学大学院(修士課程)にて、「インストラクショナルデザイン」を研究中。


 佐賀県武雄市が2011年11月に開始した自治体通販、「F&B良品」が注目すべき成果を収めており、今後、全国の自治体にも広がる勢いです。

 佐賀県武雄市と言えば、日本で初めて市の公式Webサイトをフェイスブックぺージに完全移行したことで知られていますね。同市フェイスブックページは現在、「いいね数:約2万人」「月間アクセス数:約380万」と人口5万人の市としては、ケタ外れの人気を集めています。

 さて、このサイト集客力を生かそうと2011年11月7日、同市は「F&B良品」と称する通販サイトをオープンしています。

 フェイスブックを通じて商品閲覧・購入が可能なサイトであり、いわゆる「ソーシャルコマース」と呼ばれる形態。「F&B良品」は、自治体が運営するソーシャルコマースとしても日本初となっていますね。

 ちなみに、F&Bは、楽しく(Fun)& 買う(Buy)の意味。ただし、このネーミングについては、

「S&B食品と無印良品が絶句した……」(武雄市長、樋渡啓祐氏談)とのこと。

 当初、わずか2アイテムの販売から始まったF&B良品は現在70品目まで増え、今年の年商は1000万円を突破する見込みだそうです。

 今後の事業展開について、「アマゾンがライバルだと思っています」(武雄市長、樋渡啓祐氏談)と、樋渡氏の鼻息も荒い!(笑)

 「F&B良品」は、民間のネットショッピングモールと異なり、出店者は売り上げに応じた手数料を支払うだけ。売れなくても払わなければならない固定の出店料がゼロのため、地元の中小企業にとっては大変ありがたい仕組みです。

 「民業圧迫」という声もあるようですが、F&B良品は、ネット上の「道の駅」「特産品販売所」のようなものです。大手ショッピングモールに出店するだけの資金力のない中小企業の受け皿として、F&B良品は、民間との共存を目指しています。

 樋渡市長によれば、F&B開設の目的として、「地域の所得向上(=税収アップ)」「地域ブランドの創出」が挙げられています。

 ただ、上記だけでなく、地元の人々が丹精込めて作った農産品や特産品が、全国の消費者に購入されることを通じて得られる「他者とのつながり」「感謝や評価」といった親和欲求や承認欲求が充足されるというメリットも大きいようです。

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