シニアに売りたいなら「シニア」と言っちゃダメ!(2/2 ページ)

» 2012年08月03日 08時00分 公開
[竹林篤実,INSIGHT NOW!]
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「シニア」は禁句

 博報堂新しい大人文化研究所の調査によれば、「何歳になっても若々しく前向きな意識を保ちたい」という50代は調査対象の約8割にもなった。同じく「何歳になっても若々しい見た目でありたい」人も8割くらいいる(日経MJ新聞2012年4月4日付2面)。その志向性を示すなら、次のような図になるだろう。

 間違っても「成熟したい」などとは思わないし、「成熟した」と思われたくもない。これが今どきの50代の圧倒的多数派である。従ってシニア向け商品なりサービスに「シニア」は禁句だ。ネーミングやキャッチコピーに「シニア」と書かれた瞬間に、今どきの50代は「あっ、それ私(俺)向けじゃないね」と受け止める。「いきいき」「悠々」「お達者」……すべて論外である。

新たな50代マーケット

 「50代になってもジーンズが似合う、格好いい大人でありたい」と考える人が、50代で64.1%いる(前掲紙)ということを、嗅ぎつけている企業が当然ある。少し前、さまざまな年代の人が、ブルージーンズにオフホワイトのオックスフォードシャツを着こなすCMが流されていた。各年代の中には、さりげなく50代も混ぜられていた。うまいやり方だ。

 しかも、恐ろしいことに「50代を過ぎたら、もう年をとらない」と思っている人も61.4%いる(前掲紙)。彼らが「五十にして天命を知り、六十にして耳順う。 七十にして、心の欲する所に従えども、矩を踰えず」となるのかどうか。ならないのだとすれば、必ずそこに新しいマーケットが生まれるに違いない。

 「シニアマーケットは年齢8掛けで考える」、これはシニア攻略法の鉄則である。そういえば、筆者の知り合いの50代には、つい最近婚活を始めた人がいるし、毎週末にファンクでノリノリに踊っている人もいる。そんなもんである。(竹林篤実)

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