コラム
» 2012年08月03日 08時00分 UPDATE

シニアに売りたいなら「シニア」と言っちゃダメ! (1/2)

「汝、己を知れ」がソクラテスの至言なら、マーケティングの鉄則は「汝、顧客を知れ」。ターゲットをシニアとするなら、彼らをどのようにとらえればいいだろうか。

[竹林篤実,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:竹林篤実(たけばやし・あつみ)

東大寺学園高校卒業、京都大学文学部卒業。印刷会社営業職、デザイン事務所ディレクター、広告代理店プランナーなどを経て、2004年にコミュニケーション研究所の代表。ブログ:「だから問題はコミュニケーションにあるんだよ


 「実年齢×0.8」

 これが、いまどきのシニアの意識年齢である。近ごろの50代は、気持ちも体力も実年齢の8掛けぐらいに自分のことを考えているらしい(中には7掛け気分の方もいるという)。つまり今、50歳の人なら「まだまだ、オレ40だし」と思っているわけだ。

 実年齢が40歳の人で、自分のことを「シニア」と考える人などいないだろう。だから、自分のことを「まだまだ意識的には40代だもんね」と考えている50歳の人に、「シニア向けにこんなに良い商品がありますよ」とアピールしても伝わるはずがないのだ(ややこしい書き方で申しわけない)。

 この「8掛け意識」説には、医学的な裏付けもある。過去20年間にわたる高齢者の健康状態に関しての調査結果によれば、今の70歳は、20年前の70歳を基準とすれば、精神的にも肉体的にも10歳くらい若いという。早い話が今の70歳は、20年前の60歳になる。60÷70=0.86で、8掛け強というわけだ(『超高齢社会の基礎知識』鈴木隆雄/講談社現代新書より)。

天命を知るどころか惑いっぱなしの人も

 孔子先生の教えに従うなら、50歳は知命、天命を知る年だ。ところが今どきの50歳は、知命どころか「そろそろ惑っていてはいかんなあ」(不惑=40歳)と自戒する人さえ少数派かもしれない。

 実際、今どきの50代の中には、本当に若い人も多い。さすがに血気盛んとまではいかないにしても、ふらふらと惑い続けている人も多い。おかげで熟年再婚が1995年から2005年でほぼ2倍に増えた、などという話もあるようだ。

 そういえば、今年70歳を迎える加藤茶さんは、つい最近再婚した。お相手は、うらやましいほど若くてきれいな奥さんだ。しかも彼女は「子どもが10人ぐらい欲しい!」などとおっしゃっていた。これもあながち「そんなバカな」とは言えないのかもしれない。

 仮に8掛け理論(中には7掛けで考える人もいる)に従うなら、加藤氏の意識年齢は56歳である。仮に彼が8掛け派ではなく、7掛け派だとすればまだ49歳。「15年くらいかけたら、子どもの10人くらい軽いもんだぜ」と考えているかもしれない。

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