乗ってはいけない航空会社はどこ? EUの「出禁リスト」山田敏弘のワールドスコープ(1/3 ページ)

» 2012年05月31日 08時00分 公開
[山田敏弘,Business Media 誠]

著者プロフィール:山田敏弘 Toshihiro Yamada(@toshadamay)

写真週刊誌フライデー編集部、ロイター通信社などを経て、現在、ニューズウィーク日本版の編集記者。国際情勢や社会問題を中心に取材を行っている。訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)、近著に『モンスター 暗躍する次のアルカイダ


 飛行機墜落のニュースを聞くたびに他人事だと思えない人は少なくないはず。ますますグローバル化する現在、日本から海外に出張するビジネスパーソンも多い。島国の日本から国外に出るには、ほとんどの場合が飛行機での移動になるが、できれば飛行機に乗りたくないという人も少なくないだろう。

 世界を見ても、飛行機が嫌いな著名人は枚挙にいとまがない。例えばリビアの独裁者で「狂犬」と呼ばれたムアマル・カダフィ大佐は飛行機が怖かった。8時間以上のフライトには耐えられず、海上の航行を嫌った。アフリカ連合のサミットに出席する時は長時間をかけて車列を組んで乗り込んだ。

 サッカー・オランダ代表選手でイングランド・プレミアリーグのアーセナルに所属したデニス・ベルカンプもその1人。遠征では極力、陸路で移動した。伝説的オランダ人選手のヨハン・クライフはその華麗なプレースタイルから「空飛ぶオランダ人」と呼ばれたが、ベルカンプは逆に「飛ばないオランダ人」と皮肉を込めて呼ばれていた。

 かくいう筆者も、できれば乗りたくないと考える1人だ。数百トンもある巨大な物体が空を飛ぶことを理論では分かっていても、何とも腑に落ちない気持ちをいつまでも払拭できない。何よりも、常にいつ墜落してもおかしくないという感覚がある。

 とはいえ実際のところ、飛行機は驚くほど安全になっている。1950年〜1960年代、飛行機事故は20万飛行に1回の割合で発生していた。だが近年では安全性はどんどん高くなり、飛行機事故が発生する可能性は200万飛行に1回の割合になった。米国の専門家の中には、飛行場に向かうタクシーのほうが事故にあう確率が高いと言う者もいるくらいだ。

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