新入社員に教えるべきこと、それは“ネットリテラシー”(1/2 ページ)

» 2012年04月10日 08時00分 公開
[増沢隆太,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:増沢隆太(ますざわ・りゅうた)

RMロンドンパートナーズ(株式会社RML慶文堂)代表取締役。東京工業大学特任教授、コミュニケーション戦略家。人事コンサルタント兼大学キャリア教官兼心理カウンセラーで、東工大大学院では「コミュニケーション演習」の授業を行っているほか、企業では人材にも「戦略性」を重視する功利主義的アクティビティを提唱している。


 毎年4月は新入社員研修や講演に加えて、大学で新入学生の対応もしている私です。そんな時は細かいことはどうでもいいので、社会人として、絶対に犯してはならないクリティカルなことを自覚してもらうようにしています。

 今なら「ネットリテラシー」です。特にサービス業・外食・小売など、直接お客さまと接する職務に新たに就く場合、学生時代のノリが抜けないと大変なことになります。(Twitterやmixiで不適切な発言をしてしまうような)“馬鹿発見器”引っかかるようなことは、雇い入れ企業にとって致命的になるだけでなく、社会人としてのキャリアを直撃する大問題になります。

 ある学生の会合にゲストで呼ばれた際、「我々、若者は生まれながらにしてIT環境にいる。今の中高年に比べて、そこは優位性がある」という意見を聞きました。私は同意できません。もちろん会議で「俺はメール見てないからそんな話は知らん」と堂々と言ってのける、まったく社内メールの意味を理解できないバカたれ中年をたくさん見ていますし、パワーポイントの資料を全部プリントしないと満足できないヒトたちもたくさん知っています。

 しかし、「若者がITに通じているか?」といえば、「人による」と思います。私が研修で伝えるのは「インターネットって公衆の往来ですよ」ということなのですが、こんな当たり前のことをまったく理解できていない若者はいくらでもいるのです。特にガラケーの異常発達によって、「むしろ今の若者の方がPC能力は落ちているのでは」と感じます。

 私の個人的カンですと、これまた人によるのですが30代後半〜50代前半、インターネット創成期にネットで遊んでいた世代は、むしろITリテラシー/ネットリテラシーは極めて高く、逆に今の10代〜20代半ばくらいの人たちは、PCよりケータイ世代が多く、それらのリテラシーに劣る人が少なくないというものです。

 mixiやヤフー知恵袋やらで質問し、「そんな(個人的事情や背景など)の知るかボケ」「ggrks」というリプライが集まるのも、ネットの特性が理解できていない人たちによるものです。

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