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» 2012年03月01日 00時00分 UPDATE

丸の内タニタ食堂、その裏側は?――第5回ビジネステレビ誠 (1/3)

Business Media 誠の生放送「ビジネステレビ誠」。第5回では「契約書」「確定申告」「丸の内タニタ食堂」について3人のゲストが解説しました。

[Business Media 誠]

 毎月恒例となったBusiness Media 誠の生放送「ビジネステレビ誠」。第5回となる今回は2月22日(火)21時からUSTREAM STUDIO 恵比寿で1時間放送しました。

 まずはおわびから。当初Ustreamとニコニコ生放送でお送りする予定でしたが、配信トラブルでニコニコ生放送については不十分な内容となってしまいました。次回以降は改善しますので、今後のビジネステレビ誠にもご期待ください。

 第5回の放送内容は、まず「教えて!ビジネス上のトラブル」。内田・鮫島法律事務所の伊藤雅浩弁護士が契約書の問題について法律的な見地からコメント。そして、「誠 話題の記事」では、前回出演いただいた弥生の岡本浩一郎社長が、前回答えられなかったコメントやツイートに回答。最後は丸の内タニタ食堂の事業責任者である南修二さんが、人気飲食店運営の裏側を語りました。

契約書がない案件でのトラブル

 最初のコーナーは、内田・鮫島事務所の伊藤雅浩弁護士に、ビジネスパーソンが仕事上で出くわす(かもしれない)トラブルについて、法律上の見解を教えていただく『教えて!ビジネス上のトラブル』。今回は契約書についての質問です。

質問

 私は、ソフトウエア開発会社の者です。昨年、お客さんに、あるソフトの開発を提案したところ、担当の課長さんからは「コンペになっているが、御社に頼むつもりだ。作業準備に入ってくれ」と言われたので、協力会社の人を集めたりして、メンバー編成に着手しました。

 昨年の12月、「予算編成は1〜2月だが、すでに投資案件の精査は始まっている。最終的な決済が下りるまでには、取締役会もあるので3週間くらいかかるだろうが、大丈夫だと思う。少しでも早くサービスを開始したい。時間がない」とおっしゃるので、入館用のセキュリティカードなども作ってもらい、お客さんのところに出入りして作業を始めました。

 この時点で、作業と並行しながら、契約も進めていました。こちらから契約書のひな形を送り、細かい部分を詰めているところでした。見積書はもちろん提出してあります。

 ところがつい先日、お客さんから「取締役会の決議が1カ月遅れた上に、新規プロジェクトはすべて中止だという号令が出たので、これ以上進められなくなった」と言われてしまいました。

 しかし、作業を始めてもう6週間経っています。最終的に契約書にハンコがないので、全額支払ってもらうのは無理と思いますが、せめて6週間分の費用は請求したい。それも無理でしょうか?


 ひと言でまとめると、「契約書を結ぶ前に始めた仕事を途中で打ち切られた場合、かかった費用は請求できる?」という内容。これに対する伊藤弁護士の回答は「ちょっと酷ですが、払ってもらえない」とのこと。

 作業を開始した時に契約が成立していれば,お客さんから中止と言われたことは言われなきキャンセルということになり、損害賠償などを請求できます。では、どういう時に契約成立するかというと、法律上は契約書を取り交わさなくても、口頭でも合意があれば契約は成立するとされていますが、ビジネス上の契約では、書面がない場合、簡単に成立は認めてくれません。

 そのため、今回のケースでは契約書の取り交わしをしようとして準備は進めていたが、結局結ばなかったことや,取締役会の承認が必要ということは互いの合意事項だったことからすると、契約が成立していないとされるのではないかということです。

 しかし、伊藤弁護士は「本来有償でやるべき仕事を契約書の取り交わしがないままに実施したとすれば,損害賠償を請求できるケースもあります」とコメント。

 それは、法律には書いていないのですが、「契約締結上の過失」という理論によるもの。契約交渉の段階で一方的に相手方に不義理なことをして、相手方が損害を受けた時には、その損害を賠償しなければならないという理論で、判例もあるそうです。

 今回の場合、「御社に頼むつもりだ」と言ってみたり、セキュリティカードを渡して、実際に作業をしているところをお客さんも見ており、「時間がないから」と急かしているという事情もあるので、損害賠償が認められる可能性もあるとか。しかし、6週間分の作業に見合うお金を支払ってもらうことは期待できないそうです。一方的にお客さんが悪いかどうかは分からない上、契約が成立しないかもしれないという状況でリスクを取った側の責任もあるので、仮に認められるとしても、交通事故のように過失割合で減額されることは十分にあるという結論でした。

 こういう状況でも自社を有利に導くための対策としては、担当者から内示書のような書面を1枚(メールではなく)もらっておけば、仮に契約に至らなかった場合でも「契約締結上の過失」が認められやすくなるそうです。

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