売り先行となるも日銀の追加金融緩和、物価目標設定が好感されて堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2012年02月14日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9052.07円 △52.89円
売買高 21億8068万株
売買代金 1兆1555億0700万円
値上がり銘柄 1205銘柄
値下がり銘柄 323銘柄
騰落レシオ 127.28% △3.10%

日経平均

売り先行となるも日銀の追加金融緩和、物価目標設定が好感されて堅調

 米国株は堅調となったのですが、ユーロ圏各国の格下げのニュースもあって売り先行となりました。それでも寄り付きの売りが一巡となった後は戻りを試す場面もあったのですが、外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が売り越しと伝えられたこともあり、9000円水準=昨日の引けを意識する水準では上値も重く、冴えない展開となりました。売り急ぐだけの材料も、買い急ぐ材料もなく、指数は小動きとなり、相変わらず目先の値動きの良い銘柄を幕間つなぎ的に物色する展開でした。

 昼の時間帯にも大きな動きはなかったのですが、後場寄り直後に日銀金融政策決定会合の結果が発表され、追加の金融緩和と物価目標設定が報じられ瞬間的に先物が買われる場面もあったのですが、市場では消化し切れず小さな値動きとなりました。それでも、改めて金融緩和や物価目標=インフレターゲット設定が好感されて買い直され、いったん大きく上昇に転じると、値動きの良さに連れる動きもあって上げ幅拡大となりました。ただ、欧州市場での為替動向=ユーロの動向が気になることや欧州でも金融緩和が行われ、為替にはニュートラルになってしまうのではないかとの懸念もあり、また、目先筋の早めの手仕舞い売りもあって、上値も限定的となりました。値持ちは良かったのですが、好材料を消化し切れないという感じでした。

 小型銘柄は先物主導で主力株が買われるなかで冷めた動きとなり、まちまちとなりました。二部株指数と日経ジャスダック平均は堅調なのですが、東証マザーズ指数やジャスダックTOPは軟調となりました。先物もまとまった売り買いは材料のでたときなどに大きくみられ、指数を動かす場面もあったのですが、最後まで買い切るというよりは利益をだしながらの売買という感じで、指数の方向感をだすようなことはありませんでした。相変わらず目先筋中心で方向感を持っての売り買いが少ないということだと思います。

 日銀の発表に対して反応が鈍かったような気がしましたが、それだけ反応できる参加者が少ないということなのだと思います。とりあえず決算動向などに反応するということも実は決算の内容に反応しているというよりも決算に反応した動きに反応しているということなのだと思います。米国の経済指標、中国の経済指標への反応も、経済指標そのものに反応するというよりは、経済指標に反応した米国市場に反応するということが多いのでしょう。ただ、今回の日銀の「物価目標設定」は「インフレターゲット」とみてもよく、ここからうまくもって行けばデフレ脱却の方向になる可能性もあり、ここでこれまでの大きな流れに変化がでてくるかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

 先週来のもみ合いを放れて来たような感じですが、RSIもストキャスティックスも高値圏にあり、まだもみ合いの範囲ということだと思います。ただ、まだ過熱感が強いということで、転換線や、ここから上昇となって来る基準線までの調整はあるかもしれません。

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