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» 2012年01月03日 08時00分 UPDATE

世界一周サムライバックパッカープロジェクト:大虐殺は昔の話、ルワンダで環境専門家として働くということ (1/4)

映画『ホテル・ルワンダ』で1994年の大虐殺を思い出す人が多いだろう東アフリカの国、ルワンダ。しかし、環境分野の支援を目的にルワンダにやってきた三戸俊和氏によると、現在、ルワンダはアフリカで最も治安の良い国の1つであるという。

[太田英基,世界一周サムライバックパッカープロジェクト]
世界一周サムライバックパッカープロジェクト

太田英基(おおた・ひでき)

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世界一周中のバックパッカー。12月9日現在、ドバイ滞在中。1年半で40カ国以上の訪問を予定。若者の外向き志向の底上げのため、海外で働く日本人を訪問したり、旅の中で気付いたことや発見したことをWeb中心に情報発信しながら旅をしている(サムライバックパッカープロジェクト)。学生時代に広告サービス「タダコピ」を立ち上げた元起業家でもあり、根っからの企画屋。Twitterアカウント「@mohideki」では旅の様子をリアルタイムに発信している。

 →目指せ世界一周!「サムライバックパッカープロジェクト」とは?


 東アフリカの国、ルワンダ。ルワンダというと、『ホテル・ルワンダ』という映画を観たことがある人は多いのではないでしょうか? 1994年の大虐殺をテーマにした映画。僕自身、『ホテル・ルワンダ』の中のルワンダしか、訪れる前は知りませんでした。ですので、それから17年経過したとはいえ、治安面に対して不安を感じていました。

 しかし、訪れてみると驚きました。治安は悪くはない印象でしたし、道路や移動などのインフラは隣国ウガンダと比べ物にならないほど良好でした。虐殺報道や『ホテル・ルワンダ』によって、一度付いた悪いイメージというのは、中々取り除くのに時間がかかるものなのだと実感しました。今ではマウンテンゴリラツアーが人気で、観光業などにも力を入れているようです。

 そんなルワンダの首都キガリで働く三戸俊和さんにお会いしたので、レポート作成に協力いただきました! 三戸さんは環境分野のスペシャリストとして、ルワンダ社会でさまざまな提案と実際の改善業務を行われている方です。

ah_samu1.jpg 三戸俊和さん

日本の環境省勤めからアフリカのルワンダへ

――自己紹介とこれまでの歩みについて教えてください。

三戸 アフリカのルワンダに来る前は、10年ほど法律屋として日本の環境省に勤めていました。

 その際、運良くカナダの大学院に留学させてもらえる機会がありました。そこでアフリカの貧困などの問題について、日本よりはるかに頻繁にテレビや新聞などから情報を得ることができたことから、「環境保全の切り口からアフリカの貧困対策に貢献してみたい」と思うようになったのが今に至るきっかけです。

 当初は国連開発計画(UNDP)ルワンダ事務所の環境ユニットにポジションを見つけ、2007年3月にルワンダにやってきました。

 その後、紆余曲折が大分あるのですが、現時点で、引き続きルワンダに滞在し、環境保全の分野の支援を主に政府を対象に行っています。2012年3月で、ルワンダ滞在は5年になります。

――現在の活動内容・仕事内容(廃棄物処理場など)について詳しく教えてください。

三戸 「ルワンダの首都キガリ市のゴミ捨て場の状況がひどいので、何か対策を考えてくれないか」という個人的な依頼が、2007年にルワンダに来て早々、ルワンダ環境管理庁(REMA)の長官からありました。

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 それを踏まえて廃棄物最終処分場の改善や、政府の廃棄物管理体制の改善などを目指したプロジェクト案を作成し、資金(300万米ドル)を確保し、大臣など関係者の同意を得るのに2年ほどかかりました。

 そして、プロジェクトが成立しても、しっかり執行の段階を立案者自らがチェックしないと、当初目指したものと全然違う事業が行われてしまう危険性がここではあることを2年間で学んでいたので、「執行の目処が立つまでもうちょっと残らないといけないなあ」と判断し、引き続き居残っています。

 ただ、説明は端折りますが色々ありまして、現時点では最終処分場の改善事業は純粋にボランティアとしてサポートしています。正式な肩書きとしては、全然違う分野ですが気候変動のコンサルタントとして、ルワンダ政府の気候変動対策を支援しています。

 また、こちらもほぼボランティアですが、カナダの専門家と一緒にアスベスト除去の国家計画の策定を行ったり、小さな大学で環境学の講義を受け持ったりしています。

 廃棄物最終処分場の方は、週に何回か現場を訪れて、重機の使い方を指導したり、生ゴミから発生するメタンガスの濃度を計って爆発のリスクを抑えたり、新しい処分場建設の詳細設計をするコンサルタント会社の作業を手伝ったりしています。

 別に聖人ではないので、仕事に対してしっかり対価が欲しいところなのですが、そこを日本のようにしっかり要求すると、ここには居続けることができないので、妥協しながらやっています。といっても、今よりは安定した身分で支援を続けられるよう、現地に残りつつ就職活動中ではあります。

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