――今後の予定や将来の夢(目標)について教えてください。
三戸 もうルワンダに5年近く住んでおり、こちらの「先の見えない生活」に慣れてきてしまったため、今後のビジョンをしっかり描くのは大変困難です。別の言い方をすれば、「先が見えない生活に不安を持つようではアフリカに長くは住めない」ということだと思います。
ただ、せっかくこうやって住んでいるわけですから、新しいゴミ処分場をしっかり建設して長期的に回るシステムを作るとか、何らかの結果は出したいと思います。
その後は、アジアも含めたほかの途上国で活動するとか、日本の若者をもっと海外志向にするとか、やりたいことはいくつかアイデアではありますが、具体性は今のところありません。あと数年はこちらにいて、まずは成果を出すことに集中することになると思います。
――最後に、日本の若者にメッセージをお願いします。
三戸 まず、「海外に興味を持つべきかどうか」といった次元での検討は止めた方がいいと思います。人口が減っていき、高齢者が増えていく日本において、中国を中心とした海外との関係を無視して、日本の将来はありません。
ですから、海外だろうと日本だろうと、「必要な時にいつでも住んで仕事ができる」ということが当たり前のようになる社会を若い人が作っていかないといけないと思います。
そして、そのような社会変革が行われると、仕事の仕方に常に変化が生じるので、終身雇用は難しくなるでしょう。そこで道を切り開くには、何らかの形で「専門性」を高めることが大事だと思います。
別の言い方をすれば、「自分を説明するストーリーを持つ」ということでしょう。偉そうなことを言って現在は安定職を見つけるのに大変苦労しているので、あまり説得力がないかもしれませんが、それでもルワンダに残って、ボランティアでも環境政策や関連事業についてアドバイスができているのは、「彼はずっと環境問題に携わってきており、経験・知見を持っている」と、ある程度認められているためだと思います。
どういう分野でもいいので、「私はこの分野に興味や知識・経験がある」ということをしっかり言えるようにすることが、これからますます大事になってくると思います。
そして、「自分は○○の組織に勤めている」といった自分の中身の説明につながらない点は、あまり人の評価において重要ではなくなってくると思います。
「自分の専門分野は○○で、今それを求められているのはアジア(あるいはアフリカ)なので、しばらくの期間はアジア(あるいはアフリカ)にいます」といったことが気軽に言えるような柔軟性を鍛えておくことが、今後の処世術で大切になってくると思います。
ですので、「自分の納得できる自分自身のストーリー探し」を、若いころから始められると良いと思います。私も、まだ若いと思っているのでストーリー探しを継続中です。
なお、上記に関連した考え方や、ルワンダの生活ぶりなどについては、「Monthly Rwanda」で報告していますのでご参考まで。
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