鈴木:僕は1995年に大学に入学しました。受験勉強をしながら、阪神・淡路大震災の報道を見ていました。僕にとって、このトラウマはものすごく大きい。
なので東日本大震災が発生して「ボランティアに行かなければ」「Twitterでデマを流す人は不謹慎だ」と言う人の気持ちがよく分かる。要するに、もどかしいんですよ。
もどかしさを感じる人に共通することは「今、動かなければ手遅れになるかも」という瞬間を逃したくない気持ちがある。僕も大学受験があって、動けなかった経験をしているので「いざというときには動こう」と思ってしまう。
積極的に行動する人を見て「うざいなあ」と感じる人も多い。しかし「そういう人だけをモデルにしなくてもいいのでは」と思っています。
「動くのは苦手」という人もいます。でもそういう人たちに「ちょっと、手伝ってもらえませんか」と声をかけることは、ものすごく大事。
津田:別の言葉いうと、お膳立てですよね。
鈴木:ですね。
津田:お膳立てしてでも、その人に何かをしてほしい――そんな人間になることも大切ですよね。
鈴木:その通りです。特に動かなくてもいいので、人から呼ばれる人間でもいいですよね
津田:自分が動けないのであれば、お膳立てをすればいい。そういう関わり方もあるはず。
鈴木:いわゆる“スーパースター”に憧れている人が、僕の周りにたくさんいます。例えば「津田大介さんに憧れています」という人が(笑)。でも、その人はどう考えても津田さんになることは難しい。
何かのきっかけで、化けることはあるかもしれません。でもそうした人は津田さんの真似をしようとする。また内発的な動機付けがないので、どうしても空回りしてしまうんですよ。形だけ、津田さんを真似しているんですよねえ。
津田:「社会起業家になりたい」という人が増えてきました。しかし何をやりたいの? と聞くと、答えられない。そんな感じですね。
鈴木:ですね。でも動けなくてもどかしい思いをした自分からすれば、何かを成し遂げたことは、積極的に評価したい。だからこういう言い方をしてるんです。「君が何かをやろうとしていることがすばらしいのではない。とりあえず動いて、ひとつの仕事をしたことがすばらしい」と。
津田:まず動くことが重要になってきたのかもしれないですね。動かないと学べないことは、たくさんありますから。
鈴木:ですね。失敗も含めて、学生または20代前半の人には挑戦してもらいたいですね。自分がそのお膳立てをしたり、個人的に援助をしたりする歳になったからこそ思うことですけれども。
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