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» 2011年12月06日 08時10分 UPDATE

新連載・エキなか!:売上7倍! 駅ナカマーケットが、ものすごく有望なワケ (1/2)

かつては、売店と立ち食いそば屋くらいしかなかった鉄道駅構内。しかし、今、さまざまな業態の店舗が出店するようになっている。その背景には鉄道駅の圧倒的な集客力がある。

[笠井清志,Business Media 誠]

「駅ナカ発見!」とは?:

駅内の店舗と言えばキヨスクと立ち食いそば、というのは今や昔の話。2000年代に入り、その集客力を目当てに、本屋からブランドショップ、理容店までさまざまな業態が出店するようになり、大きな駅では商店街のようなエリアが生まれていることも。そんな駅ナカビジネスの裏側に迫ります。


 近年、鉄道駅構内の小売業が活性化している。会社からの帰り道、駅構内の本屋に寄ったり、飲食店で総菜やデザートを購入したりしたことがある人も多いだろう。

 駅ビル型ショッピングセンターを運営する代表的な企業に、JR東日本グループのルミネがある。同社は10月28日、駅ナカを飛び出して、西武有楽町跡にルミネ有楽町をオープンするまでになった。

 JR博多駅への阪急百貨店出店、JR大阪駅への伊勢丹三越出店、JR名古屋駅への高島屋出店など、街中の小売業が駅ナカ・駅ビルへ出店してくる動きは過去からあったが、ついに駅ナカから街中へと出ていく動きが始まったのである。

ah_eki11.jpg JR東京駅の駅ナカ商業施設

高い集客力

 小売業の売り上げを左右するのは、何と言っても“集客力”。品質が良く、低価格の商品をいくら作っても、お客さんが店に来ないと売り上げはあがらない。インターネット上のビジネスでも、Webサイトへのアクセス数(=集客力)が重要になるのと同じである。

 集客力という観点から考えると、多くの通勤・通学客が利用する鉄道駅は最高の立地条件。阪急東宝グループ(現・阪急阪神東宝グループ)の創始者である故・小林一三氏が取り組んだ、阪急電鉄と阪急百貨店の一体開発に代表されるように、駅が小売業にとって最高のマーケットであることは周知の事実である。

 少子高齢化が進む日本。鉄道会社では利用客の減少は避けられないという視点から、運輸事業だけでなく、不動産事業や広告事業など駅・電車に付帯する事業も強化している。この一連の動きの中で「駅ナカ小売業」「駅ナカサービス業」といったビジネスが発展してきているのである。

 JR東日本の駅ナカ商業施設「ecute(エキュート)」では、単一店舗(点)の収益向上だけでなく、空間(面)としての価値向上を意識した開発を行っている。まず、駅全体のコンセプトを決定してから、コンセプトに合致したショップを誘致して、鉄道利用客の利便性向上を目指しているのである。

 JR東日本以外でも、東京メトロが「Echika(エチカ)」「Esola(エソラ)」で同様の取り組みを行っている。従来、駅改札内の小売店はキヨスクが中心だったが、構内のスペースを活用すれば、鉄道利用客のより広いニーズに応えられ、収益向上に結びつくと分かったのである。

ah_eki10.jpg JR東京駅地下の駅ナカ商業施設「GRANSTA」
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