なぜ成功した人は、感謝の気持ちを口にするのか悩むビジネスパーソンへの“処方せん”(3/3 ページ)

» 2011年11月29日 08時02分 公開
[関厳,Business Media 誠]
前のページへ 1|2|3       

「感謝の気持ち」のアンテナを高める方法

 人間関係だけでなく、成果創出という点においても「感謝の気持ちを持ちたい」という人も多いのでは。しかし「周囲への感謝の気持ちを持とう」と、ただ意識するだけでは変化が起きないのも現実である。

 次に、感謝の気持ちを高める具体的な方法を紹介したい。

 ある会社では半期に1度、全社員で「ありがとうカード」を書くタイミングを作っている。「ありがとうカード」とは、自分がサポートをしてもらったと感じる社内の人に対して、「感謝の気持ち」を一言書いて渡すカードである。そして、この会社では半期ごとの全社集会で「ありがとうカード」に基づいた表彰式を行っている。

 ここで重要なのは多くの「ありがとうカードをもらった人」を表彰するとともに、多くの「ありがとうカードを書いた人」も表彰し、賞賛の対象とすることである。多くのカードを書けるということは、周りの人のサポートを感じ取ることができている証拠でもあるからだ。会社がこの賞を設定したことで、普段から“感謝の気持ち”といったアンテナを張り巡らせる人が増えていったのである。

 周りの人への「感謝の気持ち」が大事なのは当たり前と感じながらも、なかなかその意識を持てずにいる人や組織は多い。物事で成果を出すために感謝の気持ちを持つ、というのは少し打算的に感じるかもしれないが、「感謝の気持ちを持つべき」という正攻法だけでは変わらないのも事実である。

 まずは「最近の自分自身の成果」を思い出し、「周りの人がいかにサポートしてくれたか」を客観的に振り返ろう。そうすれば「感謝の気持ち」を持つことへの、第一歩となるのではないだろうか。(インタープライズ・コンサルティング、関厳)

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.