震災後、日本人の間で「人とのつながり、支え合い」を重視する傾向が強まっているようだ。社会性を求める気持ち、身近ではない他者とのかかわりを求め、協力し合う心。この価値判断の基準を、鈴木氏は「SQ(かかわりの価値基準)」と命名。IQ(知能指数)やEQ(心の知能指数)という指数は有名だが、それになぞらえて社会性を求める気持ちなどを数値化し、分析した。
また4つのキーワード「他者への貢献」「モノより心」「広範囲での協力」「次世代志向」に対し、前向きな姿勢を示している人は「自分は今、幸せである」と答える傾向があるという。つまり貢献意欲をもっているSQの高い人は「“幸せな人”である」と分析した。
この“幸せな人”は、どのような考えをしている人が多いのだろうか。「社会とのかかわり方の距離感が大切。自分の身近なところにしか関心がない人はSQが低い。遠い人類、地球全体など貢献意欲が広くなっても、幸せ度は高まらない。むしろ身近なところ、自分の手が届く範囲で貢献したいという気持ちを持っている人のほうが、幸せ度は高いことが分かった」という。
社会とのかかわりを求める人が増えているようだが、この流れはいつまで続くのだろうか。ひょっとしたら、震災をきかけにした一過性のものなのかもしれない。「震災前に“伊達直人”ブームがあった。こうした他人を支援したいという波が、何回か繰り返せば、ひとつの文化して定着するのではないだろうか。またSQの数値は短期的に上がったり、下がったりするだろう。しかし身近なところに、自分が思っていることが実現できる“場”があれば、長期的に上がっていくだろう」との考えを示した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング