<日経平均>8747.96▼75.29
<TOPIX>748.81▼10.02
<NYダウ>11644.49△166.36
<NASDAQ>2667.85△47.61
<NY為替>77.19△0.31
欧州金融不安が薄れ、信用収縮の流れが変わったことや前日の引け後のインターネット関連企業の好決算に加え、朝方発表された小売売上高が予想を上回ったことが好感されて買いが先行、大幅高となりました。午前中に発表された消費者態度指数が予想を下回り、上値を押さえる場面もありましたが、G20(20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議)で欧州金融不安がさらに薄れるとの見方もあり、週末の買戻しを急ぐ動きもあって大幅高となりました。
信用収縮の懸念がかなり薄まった感じです。欧州各国の国債格付けの引き下げなどへの影響もほとんどみられず、世界的な経済の拡大を再度確認してお金が回り出しているのではないかと思われます。今後も米国企業の決算動向や欧州金融不安、中国をはじめとした新興国の景気鈍化などに一喜一憂する場面もあり、またQE3(量的緩和)を催促するような悲観的な見方も出てくるのでしょうが、底割れ懸念はかなり薄れ、戻りを試す展開になっているということだと思います。
個別には前日の引け後の決算発表が予想を上回ったグーグルが大幅高、新型高機能携帯電話(スマートフォン)を発売、好調が伝えられるアップルも大幅高となるなどハイテク銘柄は総じて堅調となりました。欧州金融不安が薄れているのですが、買戻しも一段落となってJPモルガン・チェースは堅調となったものの、バンク・オブ・アメリカは安くなりました。信用収縮の流れが止まり、下円油や金の先物価格が上昇したことを受けて、エクソン・モービルなどの石油株、パブリック・ゴールドなどの金鉱株も軒並み堅調となり、景気鈍化懸念が薄れたことで、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)など景気敏感株も高くなりました。
先週末の日本市場は米国株が冴えない展開となったことや円高気味となったこと、そして週末の手仕舞い売りや前日の大幅高の反動もあって売りが先行、軟調な展開となりました。相変わらず日中の値動きは乏しく、オプションSQ(特別清算指数)算出も特に問題とならず、SQであるにもかかわらず売買代金もかろうじて1兆1千億円という状況で閑散、週末の手仕舞いの売り買いが中心となっており、方向感もなかったものと思います。
先週末の米国市場が大幅高となったことや為替も円安に振れたことから日本市場も買い先行となりそうです。中間決算の発表を控えて積極的に手がけ難いところであり、タイの洪水の影響も気になるところであり、上値も限定的となりそうですが、欧州金融不安も薄れ、米国企業の決算に対する懸念も薄れてきたことで、売られすぎ銘柄の修正高は引き続き期待できそうです。物色対象が絞り切れないのでしょうが、インターネット関連銘柄やハイテク銘柄の買い直しや売られ過ぎの修正はみられると思います。
日経平均は引き続き8800円〜900円水準の節目を試す動きが続きそうです。為替がさらに円安に振れるようであれば、8900円水準を抜けて9000円台まで上昇となるのでしょうが、円高の企業決算への影響を見極めてからでないと節目を抜けてくることはできないかもしれません。タイの洪水の影響や円高に振れることなどで企業業績への懸念が強まると再度8500円〜600円水準の節目での底堅さを確認するような動きになってくると思います。
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