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» 2011年10月17日 08時00分 UPDATE

ちきりんの“社会派”で行こう!:年収200万円でも快適に――“格安生活圏”ビジネスの可能性 (1/2)

多くの人たちが年収200万円で生活していくことを求められている日本。そうした人たちでも生活を楽しめるよう、家賃から光熱費、食べ物の値段、売られているものの値段までが全体に低い“格安生活圏”が必要だとちきりんさんは主張します。

[ちきりん,Chikirinの日記]

「ちきりんの“社会派”で行こう!」とは?

はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。

※本記事は、「Chikirinの日記」において、2008年11月21日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。


 同じミネラルウオーターのボトルが、ある駅の南側と北側で倍も異なる値段で売られていると聞けば、日本人の多くは奇異に感じますよね。でも実際にはそういう国はたくさんあります。

 例えば、旧市街の市場では1本1ドル、徒歩で30分離れた新オフィス街では倍の2ドルで同じ飲料が売られているのです。店舗の家賃の差ではありません。同じ屋台でも、高級ホテル前の路上に出ている屋台では1本3ドル、市場の屋台では1ドルだったりします。

 地域の経済格差が大きくなると、モノの値段は「そのエリアの人がいくらなら払えるか?」の影響を受け始めます。だから、水に3ドル払う人がたくさんいる地域では3ドルで売り、1ドルじゃないと売れない場所では1ドルで売るわけです(もちろん仕入れ値はどちらも1ドル未満です)。

 日本にも高級店と格安店はあります。しかし、格安の牛丼屋はオフィス街にも学生街にも住宅街の駅前にも存在し、どのエリアでも同じ価格で同じモノを売っています。安い牛丼屋があるからといって、そのエリアの物価が安いわけではありません。

 一流ビジネス街に格安飲食店があれば、「一定のお金のある人が節約する」ことはできますが、「低収入の人が格安に、快適に生活する」のはそれでは実現できません。低収入でも生活を楽しむには、家賃から光熱費、食べ物の値段、売られているものの値段までが全体に低い“格安生活圏”が必要なのです。

みんなが質が高くて値段が高いモノを欲しいわけではない

 世界の家電販売店と日本の家電販売店は、今、その店頭光景が大きく異なり始めています。日本では、冷蔵庫や洗濯機、テレビなどの主要製品の大半が日本メーカーの商品です。毎年どんどん価格は下がっているとはいえ、10万円以上する家電製品も決して珍しくありません。

 しかし、海外の家電販売店に行けば、これらの日本製品が“最高級品”として並べられている一方、中級品として韓国メーカーのものがあり、さらに普及価格品として中国製品やその国のローカルメーカーの家電が並んでいます。その価格差は数倍にもなります。

 そこでは、人は自分の収入に合わせて10万円の高級家電を買うこともできれば、数万円の普及品や、単機能でシンプルでノーブランドの1万円の家電を買うこともできます。

 中古車の販売店も同じです。日本は中古車とはいえ、どれもこれも本当にキレイでいいクルマばっかりです。数年で壊れてもいいから数万円で買えるクルマが欲しいと思っても、選択肢は多くありません。海外の中古車販売店では、そういうクルマもたくさん品揃えがあるのです。

 生活インフラについても、日本は停電がとても少ない一方、電気料金の高さはよく指摘されるところです。そのため、日本でも電気代金が払えずに電気を止められている人は実際に出てきています。それなのにいつまでも、“安定供給”のために高い基本料金を払わせ続けることが生活者のためになるのでしょうか?

 また、日本はどこのお店に行っても驚くほど丁寧に包装をしてくれるし、サービスの質も非常に高いです。それはとても気持ちの良いことではありますが、一方で、それらにかかるコストはすべて価格に転嫁されており、一定のお金がなければ利用できないものになってしまっています。

 海外の都市部に存在する「2つの異なる物価水準のエリア」では、売られている商品の質はもちろん、店の雰囲気、内装のレベル、清掃状況から包装紙の質、レストランであれば皿の値段、さらには接客する店員のレベル(時給およびサービスレベル)まで違っています。その代わり、通常エリアであれば年収400万円未満だとやっていくことが厳しいのに、格安生活圏では年収200万円でもそれなりに楽しみながらやっていけるというわけです。

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