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» 2011年09月19日 08時00分 UPDATE

ちきりんの“社会派”で行こう!:国民統一番号制って必要なんじゃない (1/2)

国民ひとりひとりに番号を与え、個人情報を管理しやすくする国民統一番号制。「国家による国民管理につながる」として反対する人も多いですが、ちきりんさんはそのデメリットより行政上、財政上の合理化メリットなどの方がはるかに大きいと主張します。

[ちきりん,Chikirinの日記]

「ちきりんの“社会派”で行こう!」とは?

はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。

※本記事は、「Chikirinの日記」において、2005年7月31日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。


 10年ほど前に「国民統一番号制(国民総背番号制)」の導入が検討されましたが、反対が多く実現しませんでした。その後、住民基本台帳ネットワークシステム(以下、住基ネット)が作られました。しかしこれについては、自分の番号を知らない人も多いのではないでしょうか。

 住基ネットが普及しない理由は、この番号を知らなくても特に生活上困ることがないからです。米国の社会保障番号のように、国民のIDとして、銀行口座を開く、学校に入学する、資格試験を受ける、就職する、納税する、部屋を借りる、車や不動産を買う、年金を受け取る、医療保険を利用する……など、さまざまな機会に必要となれば、一気に普及するはずです。

 住基ネットの構築にあたっては相当な税金が使われており、「作ってみたけど、みんなあんまり使いませんでしたね、あはは」ではすみません。この巨大なシステムの構築費って何十億円、いや何百億円なんでしょう? 「そのために使われた税金は国民1人当たりいくら?」「毎年どれだけの維持費がかかっているの?」などについて、このシステムの存在意義(メリット)とあわせて、ぜひとも情報開示してほしいものです。

国民統一番号制の導入で本当に困るのは誰?

 ところでこういった「国民ひとりひとりに固有の番号を付け、社会システム全体でその番号を利用する」という制度に、真っ先に反対するのはいつも共産党や社民党で、反対の理由は「国家による国民管理につながる」というものです。

 「しんぶん赤旗を購入している人のリスト」や「護憲の会に出席した人のリスト」が番号で管理され、「権力に弾圧される」可能性を恐れているのかもしれませんが、それってちょっと時代錯誤ですよね。

 今でも権力がその気になれば、携帯電話を持ち歩いているだけで誰がどこにいるか把握されうるし、電子マネーやクレジットカードの利用データをまとめれば、どこで何を買ったか、何を食べたかまで把握できます。重要な犯罪の容疑者については、警察は実際にそれらのデータを集めているはずです。

 ですが、だからといって私たちは携帯電話を捨てたりはしないし、そんな理由で電子マネーやクレジットカードを使わないと決める人はいません。

 「国家がその気になれば、個人の情報を把握できる!」という危険性を過大に取りざたし、新たな技術や仕組みを生活に取り入れることを拒否するのは、進歩を拒否する愚行以外の何ものでもないと思います。

 また、ちきりんに言わせれば、国民統一番号制の導入で本当に困るのは、権力側の人たちと、悪いことをしている人たちです。

 まず、この制度は脱税防止に強力な効果を発揮します。裏金作りやマネーロンダリングに壊滅的な影響を与えられます。また、オレオレ詐欺に使われる仮名口座の売買をする人の取り締まりも容易になります。

 離婚・結婚や、養子縁組を繰り返して名字を変えることにより、消費者金融からお金を借りまくる人もいますが、名前で管理するからこんな裏道が生まれるのです。生まれてから死ぬまでずっと使う固有番号を使えば、そんなことはできなくなります。

 死んだ人の口座をそのまま残しておいてマネーロンダリングに使ったり、資産家が赤ちゃんの名前で預金口座を開き数千万円の預金をして相続税逃れに利用したり、といったことも、情報を一元管理すれば相当程度、防止できるでしょう。

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