金融緩和期待から堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年08月31日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8953.90△102.55

<TOPIX>767.30△8.47

<NYダウ>11559.95△20.70

<NASDAQ>2576.11△14.00

<NY為替>76.73▼0.16

前日の大幅高の反動などから軟調となる場面もあったが、金融緩和期待から堅調

 前日の大幅高の反動や朝方発表された消費者信頼感指数が2ぶりの水準まで下落したこと、また、住宅価格指数も下落が続いていることなどから売り先行となり、一時大幅安となる水準まで売られました。ただ、FOMC(公開市場委員会)議事録が発表されると、追加の金融緩和に対する期待が高まり、買戻しを急ぐ動きもあって堅調となりました。

 足元の景況感は芳しくないのですが、企業業績は比較的好調でありその中で、金融緩和期待が高まると株式市場も先高感が強まり、戻りを試す展開となるようです。FRB(連邦準備理事会)議長の講演で「FRBが何とかしてくれる」という雰囲気になって、センチメントも上向きつつあるということでしょう。景気が良ければ良いで好業績期待で買われ、悪ければ悪いで金融緩和期待で買われるという展開が期待されます。

 個別には追加緩和による景気押し上げ期待からキャタピラーやボーイング、GE(ゼネラル・エレクトリック)は堅調、金先物価格が大きく上昇したことで、ニューモント・もイニングやパブリック・ゴールドなど金鉱株は高くなりました。住宅価格指数の下落や景況感が芳しくないことからバンク・オブ・アメリカが大幅安、JPモルガン・チェースも軟調と金融株は総じて軟調となりました。ハイテク銘柄はノキアが大幅高となったのですが、インテルやIBMは軟調アップルはほぼ横ばいと冴えない動きとなるものが目立ちました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高を受けて買い先行となりました。ただ、為替が相変わらず円高気味ということもあり、また外国人も売り越し基調と伝えられたこともあり、大幅高ではあるものの上値も重い印象でした。物色対象も絞りきれず、売買高も増えないので、指数の上昇の割りに盛り上がりに欠ける展開でした。幕間つなぎ的に買われていた銘柄は手仕舞い売りに押され、売られすぎた銘柄はしっかりと修正高となりました。

 シカゴ市場(CME)の日経平均先物の終値(8905円)が昨日の日本市場の終値を下回っており、売り先行となりそうです。ただ、米国株は堅調となり、日本市場でも底入れ感が強まっているので、出遅れ銘柄などを物色する動きから底堅さもみられるものと思われます。引き続き為替が円高傾向にあることから、改めて円高に対する態度を政・金融当局が示すことが出来なければ上値の重い展開となりそうです。月末ということで経済指標の発表もいくつかみられますが、特に材料視されることなく、月末での持高調整の売り買いに右往左往させられそうです。割安感が強まっている円高の影響が少ない主力銘柄の戻りはみられるものと思います。

 月末の数字を意識しながら8800円〜900円水準での底堅さを確認するような展開になりそうです。ここでしっかりと8800円〜900円水準で底堅さが確認されると、ちょうど1年前と同じように、戻りを試す動きとなってきそうです。底堅さが確認されると9000円を抜けてくるものと思われ、そうすると9200円〜300円水準の次の節目を目指すことになるのだと思います。ここで堅調とならない当面8800円〜900円水準が上値となってしまいそうです。

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