欧州金融不安の緩和や好調な個人消費が確認されて大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年08月30日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8851.35△53.57

<TOPIX>758.83△2.76

<NYダウ>11539.25△254.71

<NASDAQ>2562.11△82.26

<NY為替>76.89△0.26

欧州金融不安の緩和や好調な個人消費が確認されて底入れ感も強まり大幅高

 週明けの米国市場はハリケーンの影響が懸念されたほどでもなかったことやギリシャの銀行合併のニュースで欧州金融不安も薄れたこと、そして朝方発表された個人消費支出が予想を上回り、5カ月ぶりの大幅な伸びとなったことなどが好感されて買われ、買い戻しを急ぐ動きも交えながら大幅高となりました。先週末のFRB(連邦準備理事会)議長の講演を聞いて、景況感の悪化もQE3(量的緩和)期待につながるとして買い安心感も出たものと思います。

 今週は月末・月初ということもあり、注目される経済指標も発表になりますが、FRBの態度がある程度安心させるものとなったことで売られすぎ銘柄等の買い直しもみられたのだと思います。先日来述べているように「景況感」は芳しくないものが多いのですが、実体経済自体は決して悪くはなく、極端な景気鈍化懸念は薄れて来るのだと思います。経済指標等に一喜一憂するのでしょうが、景気鈍化懸念がみられればQE3期待から買われ、好調な景気と確認されると買い直されるのでしょう。

 個別には中国の銀行の保有株の約半分を売却すると正式に発表したバンク・オブ・アメリカが大幅高、金融不安が薄れたこともあって、JPモルガン・チェースやシティグループなど金融株は軒並み大幅高となりました。景気鈍化懸念も薄れたことで、インテルやIBM、アップルといったハイテク銘柄の総じて高く、アルコアやキャタピラー、GE(ゼネラル・エレクトリック)やフォード・モーターなど景気敏感株も総じて大幅高となり、指数を押し上げました。金価格の落ち着きもあってニューモント・マイニングなど金鉱株が安くなりましたが、原油価格が堅調となったこともあってエクソン・モービルやシェブロンなど石油株も堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高にもかかわらず円高ということや外国人が売り越しと伝えられたこともあり、冴えない始まりとなりました。ただ、改めて景気鈍化懸念が薄れたことを見直す動きで底堅さを確認すると大幅高となる場面もありました。民主党代表選が終わると増税を嫌気するような動きで手仕舞い売りを急ぐことになり、上げ幅を縮小となりました。

 米国株が大幅高となったことや為替も落ち着いていることなどから日本市場は堅調な展開となりそうです。ただ、政局の混乱が続き、政策の方向性がはっきりとみえてこないと増税懸念などもあって上値も限られてしまうと思われます。新首相は「財政再建派」と目されており、株式市場に」とって好感される政策が打ち出せるのかどうかを見極めるまでは積極的には買えないということでしょう。ただ売られすぎ感が強い主力銘柄などはとりあえずの水準訂正ということもあり、戻ってくるのだと思います。

 日経平均の8800円〜900円水準を試す動きとなりそうです。一気に9000円台までの戻りも期待されますが、9000円を抜けてから積極的に買いにくいのではないかと思います。いったんは8800円〜900円水準での底固さを確認しながら、戻りを試すことになるのでしょう。上値の節目とすれば9200円〜300円水準となっており、9000円を超えてからは出遅れ銘柄や割安銘柄を物色する動きとなるのだと思います。

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