タレントの島田紳助氏が芸能活動を引退――会見全文(5/5 ページ)

» 2011年08月24日 06時06分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]
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なぜ今回は引退することにしたのか

――今までにも数々のトラブルがあって、引退を考えられることがあったと思うのですが、今回は引退を決めたのはどういう思いからですか?

島田 数々のトラブルはないと思いますよ。そんなにありましたかね。

――数回……。

島田 若い時にお客さんをどついたことがありました。そして6年前にこれはまだ裁判がされているのであまり言えないのですが、「どうやねん」という自分の思いもあるのですが、その中でも僕がやったことは事実ですからイカンことです。ハナからイカンことをイカンことと分かってやっていましたから、僕ははっきり言って引退という言葉は思わなかったです。罪を弁明せず、受け止めたらいいんだと思っていました。

 ただ今回が違うのは、僕の中ではさっき言ったみたいに「付き合ってないじゃないか」ということです。週刊誌にはいろんなことを書かれましたが、本当に事実無根ばかりでした。本当にカジノなんか生まれて1回も行ったことありません。その時も、BさんからAさんを介して連絡がありました。「そんなところに行っているのか」と言われまして、「僕は命をかけて、行ったことありませんし、行ったかどうかも分からないというようなそんなあいまいなこともない。そういうところに行くようなバカな僕じゃないです」という電話をAさんに返したことがありますが、そんなこと絶対ないです。競売物件を暴力団と組んで入札したなんて書かれたこともありますが、命をかけてありません。もし、そんなことがあればみなさんの前で腹を切ります。

 今回はセーフだと思っていたのが大きな問題です。だから完全に僕のミスです。僕が間違っていました。

――吉本興業では8月中旬に外部から情報を入手してから、具体的にどのような調査をされたんでしょうか?

水谷 8月中旬に情報を外部の方から入手いたしまして、我々の方といたしましては、8月21日にその情報に基づきまして島田紳助とヒアリングを行いました。その後、2日間ではありますが、社内の調整と調査を行いまして、本日に至っております。

――社長の説明と島田さんの説明に矛盾があるように思ったので質問したいのですが、社長は長年来の友人が残念ながら暴力団の関係の方に行ってしまったとおっしゃったと思うのですが、それは紳助さんの説明にあるAさんとBさんのどちらになるでしょうか?

島田 Aさんです。Bさんはもともと(暴力団)ですよ。Aさんは一般の方で、僕は若い時から友達だったんです。そして、Aさんが今、組織の方という認識をする方と、そうじゃないんだという認識をする方がいるんですよ。どこが事実か分からないのですが、僕はいつからなっていたかも知りませんでした。

 そのことを僕は本人に「こういう噂がありますけど、そうなんですか」と何度か聞いたことがあります。「そうじゃないんだ。僕は一般の人間だけどそんな風に言われるんだ」とおっしゃったら、僕は「そうですか」と言わなくてはいけなかったし、そのことも何回も聞きました。Aさんがもしそう(暴力団関係者)だったら、僕はわざわざAさんを介してBさんにメールを送ったり、伝言を頼む必要がないわけです。だから僕はAさんはそうではないという認識で、「伝えてください」というメールを送ったのであって、だからそこに矛盾点はないんですよ。

 社長はAさんが途中から組織の方になったという認識なのですが、僕の確認では「そうじゃない」とおっしゃっている。「どうなんですか」と確認したら、「そうじゃない、そう言われるだけだ。週刊誌がいろんなこと、嘘ばっかり書きよるんや」と言われると、僕の中でも本当にいっぱい書かれてきたので、そうなんだという認識でいました。僕は3回くらいAさんに確認しています。

――昨今の週刊誌でメールの件が出ましたが、暴力団関係の方に手紙を送っていたとか写真に写っていたといった事実というのはあるのですか?

島田 今も言っているように、悔しいと言っているのはそれなんですよ。そういう手紙を送ったとか、一緒の写真があるとか、最近じゃなくて前も書かれているんですよ。写真があるとか、それが僕の耳にも入るんですよ。それで、僕はAさんにも、「僕とBさんの写真を一生懸命探しているらしいですわ」とメールで言ったことがあります。「探しているので困った」という話ではなくて、本人の耳に入りますから。

 僕の知っている関係者のところに行って探し回ったんでしょうね。それも数年前です。「探し回っているらしいですわ」とメールを送りました。

――島田さんほどの方が暴力団関係でおやめになるということで、芸能界と暴力団関係で何かあるんじゃないかと世間的にも見られてしまう可能性もあるかなと思うのですが、その辺についてどうお考えですか?

島田 僕ははっきり言いまして、間違った言い方かもしれなくて申しわけないですが、僕の中では「この程度」なんですよ。頻繁に密着しているわけでもない、と。でも、この程度で引退しなくてはいけないんです。だから、ほかの芸能人の方々は十分注意していただきたいと思います。

 だから、ちょっと信用してください。引退しようとしている人間が今さら言いわけしようとか、自分をよく思われようなんて気持ちは本当にないです。「何でこんなことばっかり書かれるのかな」とずっと思っていて、それで本当にやめたいなという気持ちもありました。何でこんなウソばっかり書かれるのかな、と。

 でも、タレントである以上、告訴するとまたそれをネタに書かれる。だから我慢しなさいみたいなこともあったのですが、まあこれで明日から一般人ですから、告訴できるのかなと思ったりしています。だから、明日からすみませんが一般人なので、静かに過ごさせてやってください。何か若い人たちの役に立つような人になっていきたいと思いますし、若い人たちが夢見れるようなことを、これからしていきたいなと思います。夢をいろいろ暖めていきたいなと思います。

――今後のご予定は?

島田 一昨日引退すると決めて、今日まで引退すると決めて(考えて)いたので、何も考えていません。残念ながらまだ55歳なので、まだまだ生きるなと。だから、自分をこれまでしてもらった感謝の気持ちもありますから、自分なりに何か役に立てることをしていきたいなと。

 これは最近思っただけじゃなくて、ずっと思っていますから。自分なりにもそうやってしてきたつもりですし、沖縄のサンゴがなくなったらなんとかしようとか、そんな活動にも一応協力していますから。ちょっとは何か世の中の役に立てたらいいなと思いますので、そういう気持ちを持ち続けていきたいと思います。

水谷 本日は夜分にも関わらず、お集まりをたまわりまして、誠にありがとうございました。本日引退いたします島田紳助は当社にとりまして、多大なる功労者であります。そして、多くの若手のタレントを育て、本当に後輩の育成にも力を注がれた方でした。たぐいまれなる才能にあふれた人材をこういう形で失うのは大変に残念なことでありますが、みなさまご理解をたまわりまして、なにとぞよろしくお願いしたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

島田 どうもみなさん。こんな時間にお集まりいただきまして、島田紳助の最後の切腹の介錯をしていただきまして、本当にありがとうございました。悔いはありません。多くの方への感謝の気持ちでいっぱいです。そして自分の認識の甘さ、この3日間、十分反省した結果、ぶれることなく引退します。どうもありがとうございました。

左からよしもとクリエイティブ・エイジェンシーの水谷暢宏社長、島田紳助氏、弁護士の原田氏

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