世界的な景気鈍化懸念や持高調整の売りに押されて大幅安清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年08月18日 16時46分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 8943.76円 ▼113.50円
売買高 17億3937万株
売買代金 1兆1715億4700万円
値上がり銘柄 417銘柄
値下がり銘柄 1122銘柄
騰落レシオ 69.54% ▼4.05%

日経平均

米国株は底堅く堅調だったが、世界的な景気鈍化懸念や持高調整の売りに押されて大幅安

 米国株は底堅い堅調な展開でしたが、為替が円高気味にあるということや引き続き外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が売り越しと伝えられたこともあり、売り先行となりました。半導体製造装置BBレシオ(受注額を出荷額で割ったもの:3カ月移動平均)が2カ月連続で悪化したことなどを嫌気して半導体関連銘柄を中心に主力銘柄が売られ、持高調整の売りや見切り売りも嵩み大きく下落するものが多く指数を押し下げました。一方で為替の影響が少なく値動きの良さを好感してインターネット関連銘柄等に高いものが多く、指数は軟調ながらも底堅い展開となりました。

 後場に入ると為替介入がみられないことを嫌気する動きや上値の重さを嫌気する動き、そして輸出株を中心に世界的な景気鈍化を懸念する動きから見切り売りが嵩み下げ幅拡大、大幅安となりました。ただ、日経平均の9000円を割り込むところからは売り急ぐということよりも買い戻しのタイミングを計るという感じで買い戻しや押し目買いもみられ、底堅い展開となりました。最後まで戻りきらず、見切り売りに下げ幅を広げた引けとなりました。目先の弱気な雰囲気の中で買いの手が引っ込んでしまっているということなのだと思います。

 小型銘柄も軟調なものが多かったのですが、幕間つなぎ的に買われたインターネット関連銘柄等に高いものがみられました。二部株指数、東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均は軟調となりましたが、ジャスダックTOP20は堅調となりました。先物は相変らず方向感を持ったまとまった売り買いはほとんどみられず、散発的にまとまった売り買いがみられるのですが、指数を方向付けるような動きはありませんでした。それでも後場に入ってからは下げ幅拡大となる場面あたりから買い戻しも入り底堅さもみられ、指数の下支えとなった感じです。

 持高調整の売りも一巡となったのかと思ったのですがまだ主力銘柄の売りが止まりません。お客様の保有株診断等を行なっているのですが、割安感が強い銘柄が塩漬けとなってしまっていたりして、売るに売れないものが多いような気がします。相場が持ち直すのを待つ方が乗り換えるよりもよさそうなケースも多く、市場エネルギーが増加してこないことには、新たな買い手がみえてこないことには本格的な上昇相場となり難いのかもしれません。ただ、本日のように主力銘柄が大きく売られる場面では売れなかったものまで売り切ってしまう可能性も高く、個別には「セリングクライマックス」となる銘柄もでてくるのかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

 転換線に押されるように下値を試す動きとなりました。ただ、RSIもストキャスティックスも底値圏からの反発となっており、安値を割り込むことなく、切り返してくるものと思います。転換線の下落も止まるところであり、底堅さを確認して基準線水準までの戻りを試すことになるのでしょう。

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