景気刺激策期待もあって大幅反発清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年08月10日 08時50分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8944.48▼153.08

<TOPIX>770.39▼12.47

<NYダウ>11239.77△429.92

<NASDAQ>2482.52△124.83

<NY為替>76.95▼0.83

FOMC声明を受けて乱高下だが、景気刺激策期待もあって大幅反発

 朝方から前日の大幅下落の反動やFOMC(公開市場委員会)でのFRB(連邦準備理事会)の金融政策、政府の景気対策などに期待して買戻しを交えて大幅高となりました。FRBの声明が発表されるといったんはQE3(量的緩和)に言及がなかったことから売られる場面もありましたが、政府が景気刺激策を打ち出す余地があり、FRBも金融政策面での資金供給を図る、つまりQE3の可能性があるとの見方も強まり、買戻しを急ぐ動きから大幅高となりました。

 乱高下となりまだまだ政府金融当局に対しては疑心暗鬼な感じですが、信用収縮懸念=リスク許容度の低下が進むということもなく、少なくともいったんはリスク回避の流れは止まった格好です。景気刺激策や低金利政策に対する期待も強いことから、具体的に示されるようであれば一気に本格的に戻ることになるのでしょうし、引き続き「FRBが何とかしてくれる」という雰囲気が持続すれば底堅さを確認しながら戻りを試すことになるのでしょう。

 個別には全面高となるなかで、特に売られすぎた銀行株などが反発、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティグループなど揃って大幅反発となりました。インテルやIBMは堅調、アップルやグーグルは大幅高と戻りの勢いに差が出ましたがハイテク銘柄も揃って堅調となりました。景気敏感株もキャタピラー、アルコア、GE(ゼネラル・エレクトリック)と揃って大幅高、フォード・モーターは10%近い戻しとなりました。コカ・コーラやプロクター・アンド・ギャンブルなど底堅かったディフェンシブ銘柄も堅調、同様にパブリック・ゴールドやニューモント・マイニングも高く、原油先物価格はまだ下落しているのですが、エクソン・モービルやシェブロンも売られ過ぎの反動もあって堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株が大幅下落となったことから売り先行、大きな下落となりました。外国人も引き続き大幅売り越しと伝えられたこともあり、また、中国のCPI(消費者物価指数)が予想を上回り、インフレ懸念から下値を試す場面もあったのですが、日銀のETF(上場投資信託)買いや年金の買いが入ったとの観測もあり、底堅さを確認すると値ごろ感からの買い戻しも入って下げ渋り、大幅安ながらも下げ幅縮小となりました。

 米国株が大幅反発となったことを受けて日本市場も堅調な展開が期待されます。好決算を発表しながら売られた銘柄や円高や地合いの悪さだけで売られていたような銘柄を買い戻す、買い直す動きとなるのでしょう。これで、すべて解決したということではなく、まだ持ち高調整の売りなども懸念されますが少なくとも売り急ぐような動きはみられないと思いますし、素直に好調な業績を示している銘柄などの反発を期待しても良いと思います。

 シカゴ市場(CME)の終値も9100円台まで戻っており、8800円〜900円水準での底堅さを確認した格好となりそうです。戻りの目処も今度は上値の節目が9200円〜300円、9500円〜600円となり、その水準を目指すことになりそうです。相場が落ち着きをみせる中で、一気に戻るのかいったん底値圏でもみ合い、底値固めとなってから戻るのかが課題ですが、一気に9500円〜600円水準まで戻るのではないかと思います。

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