堅調な個人消費動向を受けて堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年07月08日 08時28分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>10071.14▼11.34

<TOPIX>870.48▼3.03

<NYダウ>12719.49△93.47

<NASDAQ>2872.66△38.64

<NY為替>81.26△0.35

雇用指標の好転や金融不安の後退に堅調な個人消費動向を受けて堅調

 朝方発表されたADP(オートマチック・データ・プロセッシング)雇用リポートや新規失業保険申請件数が予想よりも好転していたことや欧州での利上げを受けてユーロが堅調、金融不安も薄れたことなどから買い先行となり、ダウ平均は堅調、ナスダック指数は大幅高となりました。市場全体として目先的な過熱感も強いのですが、小売各社の売上動向も堅調と発表されたこともあり、景気鈍化懸念も薄れて週末の雇用統計の発表を前に買戻しを急ぐ動きも見られました。商品相場なども堅調となっていることで、信用収縮懸念もなく買い安心感もあったものと思います。

 欧州での利上げを見ても、信用収縮懸念、流動性の減退懸念が薄れているということでしょう。昨日も述べましたが、QE2(量的緩和)が終了しても米国では信用収縮の動きにならなかったことで、欧州の利上げも資金の吸い上げということよりも、それだけ資金が潤沢だと確認できたということで利上げにもかかわらず、株式市場では嫌気する動きにはならなかったものと思います。世界的な景気鈍化懸念が薄れ、金融不安も薄れたことで強気になった向きも多いのだと思います。

 個別には6月の売上高が好調ということでターゲット、メーシーズ、ギャップなど小売各社が大幅高、景気鈍化懸念が薄れたことからインテルやアップル、グーグルなどハイテク銘柄も堅調となりました。ただ、売上高が予想に届かなかったJCペニーや投資判断の引き下げのあったIBMなど軟調なものもありました。金融不安も薄れたことからバンク・オブ・アメリカなど金融株も高く、コールセンター大手を買収すると伝えられたJPモルガン・チェースも堅調となりました。キャタピラーやアルコア、フォード・モーターなど景気敏感株も堅調、原油や金の先物価格も堅調でエクソン・モービルなど石油株やニューモント・マイニングなど金鉱株も高くなりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は前日の大幅高の反動もあって売り先行となりましたが、オプションSQ(特別清算指数)算出を控えての思惑もあり、底堅い展開となりました。前日と同じように同じような時間帯にまとまった仕掛け的な買いもみられましたが、前日とは違って値持ちの良かった相場で、節目とみられる日経平均の10000円水準を保っていたこともあって、改めて10000円から大きく上昇する必要もないのか、上値も重くなり、結局冴えない展開となりました。

 本日の日本市場はオプションSQがありますが、米国株が堅調、大幅高となったことから買い先行となりそうです。外国人が引き続き買い越しなどと伝えられれば、週末の手仕舞い売りをこなして堅調な展開が期待されます。目先的な過熱感は強く、政局の混乱などの懸念材料もあり、上値も限られそうで、早めの手仕舞い売りも出てくるのでしょうが、売り急ぐ動きも少なく値持ちの良い展開となるのでしょう。主力銘柄の水準訂正の動きから出遅れ銘柄を物色することになってくるのでしょう。

 日経平均は次の節目である10200円〜300円水準を一気に目指すことになりそうです。いったん9800円〜900円水準の節目での底値固めとなるのかと思ったのですが、予想以上に堅調な展開となっており、逆にいったん行くところまで行くという感じで上値を目指すことになりそうです。ただ、10200円〜300円水準での上値を試した後は目先的な過熱感もあり、9800円〜900円水準での下値を試すことになるのだと思います。

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