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» 2011年07月07日 08時00分 UPDATE

郷好文の“うふふ”マーケティング:すべての仕事はギフトである――“相手思考”を持つ方法 (1/3)

どんな仕事であっても、自分中心ではなく、相手中心で考えることが成功につながるという筆者。そんな“相手思考”を持つためには、どのようなことを心掛ければいいのだろうか。

[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

マーケティング・リサーチ、新規事業の開発、海外駐在を経て、1999年〜2008年までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略など多数のプロジェクトに参画。2009年9月、株式会社ことばを設立。12月、異能のコンサルティング集団アンサー・コンサルティングLLPの設立とともに参画。コンサルタント・エッセイストの仕事に加えて、クリエイター支援・創作品販売の「utte(うって)」事業、ギャラリー&スペース「アートマルシェ神田」の運営に携わる。著書に『顧客視点の成長シナリオ』(ファーストプレス)など、印刷業界誌『プリバリ[印]』で「マーケティング価値校」を連載中。中小企業診断士。ブログ「cotoba


 アート事業をしていると、良いことに巡り合う。

 私と相棒cherryさんは、有望なクリエイターの支援と小さなギャラリーの運営をしている。今年2011年は、ギャラリーの稼働率を上げるため、1つ策を打った。「月別の展示テーマ」を設けて、それにぴったりの作品を制作するクリエイターを公募するものだ。

 例えば4月「花」、5月「旅」、6月「雨」、7月「家」というテーマである。テーマのとらえ方は作家の自由。自分のモチーフにぴったりと思ったら応募してもらうものだ。

 すると、去年まで展示が集まらず苦戦をしていたのが嘘のように、次々に候補者が現れ、あっと言う間に年内はすべて決まった。4月の花では“花言葉を添えた100枚のオーダーアート”が壁を埋め、6月の雨では色彩の雨を降らせた大きな布が展示空間を仕切った。

ah_go1.jpg 筆者の会社が運営するアートマルシェ神田

すべての仕事はギフト

 だが、しばらく先、ということもあったのか、12月の予約だけはしばらく埋まらなかった。やがてある写真家からお申し出があった。

 「私の写真で12月に個展を開催させていただけますか?」

 フォトアーティストnaomiさんの作品は、光が呼吸している。彼女の個展ならぜひにとお願いした。そのメールにこうあった。

 「見に来てくださるみなさまに、作品を通して私の気持ちを受け取っていただければいいなと思います」

 12月のテーマは「贈り物・ギフト」。彼女は、自分の作品を贈り物と考えて、見る人に受け取ってもらおうと考えたのだった。

 「ああそうなんだ」とその時気づいた。すべての仕事はギフトなのだ。

 アートとは自己表現活動である。「オレはこう考えるけど、君もそう思わないかい?」「アタシの色づかいのオリジナリティ、分かってくれる?」――伝えたいことを抽象化したり、かたちにしたりする。自分の世界表現で、見る人の心のシェアを奪う活動なのである。だから自己表現力に秀でた人がほかの業界よりは多い。“押しの強いアーティスト臭い”人も多い。

 だが、自分の作品を「分かってくれ、認めてくれ」と叫ぶのと、「受け取ってもらおう」と心を砕くのは180度違う。

 その違いは成長のカギであり、売れる要素でもある。クリエイターだけではない。ビジネスパースンにとっても仕事上で壁を越えるカギ、「売れる」につながる要素なのである。

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