すべての仕事はギフトである――“相手思考”を持つ方法郷好文の“うふふ”マーケティング(2/3 ページ)

» 2011年07月07日 08時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]

人生の成功と失敗を分かつ“相手思考”

 2011年も暦の半分が終わり、会社の業績簿でも四半期が終わった。実績上げましたか? もしも「まだまだ」と思うなら、なぜうまくいかないのか、考えてみよう。運がなかった、商品力で負けた、節電・節約熱にたたられた……さまざまな理由があるだろうが、「うまくいかない」の根っこにはたいてい同じ現象がある。それは“自分中心”思考。

 世に出る企画や商品の97%までは、自分中心で考えるから、失敗もしくは小ヒットにとどまる。「なぜ分かってくれない」「一生懸命やった」「オレのアイデアは悪くない……ハズ」。商売の天才やカリスマなら自分の個性で当てるが、実はそれはタイミングを読み切っているからでもある。

 自分中心になる原因は「相手思考ができない」。相手の立場や気持ちからスタートできないのだ。“相手思考”からスタートする3%の商品は(念のため、3%は根拠無し。百三つくらいの意味)、企画立案でも商品開発でも、販売促進も店頭販売でもヒットする。

 大げさではなく、相手思考は人生の成功と失敗を分かつ。だがカンタンに見えて、ほとんどの人は「自分を捨てられない」。かくいう私も相当に自己中心人間である。どうしたら相手思考ができるか? 常々考えてきた。ビジネス書に「お客さま視点を持ちなさい」とあっても、どうすればそれが身に付くのか書いていない。

贈り物チェックリストで相手思考を

 そこに“ギフト思考”という贈り物が届いた。

 目を閉じて、誰かにギフトを贈る気持ちになってみよう。良いギフトには次のような流れがある。

1.相手の「欲しい」を考える(相手の理解)

2.サプライズがある(贈り物! 私に?)

3.中身を想像させる(何だろう? という期待感)

4.ワクワクして開ける(ぴったりのラッピング)

5.開けて歓声が上がる(欲しかったもの)

6.もらって幸せ(ありがとう!)

7.贈って幸せ(どういたしまして)

8.贈り主の個性が伝わる(自分の理解)

 この流れは優れた企画開発、魅力的な販売促進、盛り上がるイベント運営に、ぴったり当てはまらないだろうか。

 自分のコラム執筆に当てはめてみよう。読者はこのテーマを読みたいだろうか? 滑り出しは興味をひくか? 分かりやすいか? エピソード展開はあるか? 「読んでよかった」「なるほどね」と言って、次週も「うふふ……」と読んでもらえるだろうか?

 リストのスタートは「相手の理解」で、終わりは「自分の理解」である。ここがキモだ。相手のことから考え出すと、自然に自分も1人のお客さんとして客観視できる。すると自分がどんな個性を持ち、何がウリなのかも見えてくる。

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