政局の混乱に電力会社の問題が浮上して軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年06月06日 16時08分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9380.35円 ▼111.86円
売買高 18億9569万株
売買代金 1兆1124億8400万円
値上がり銘柄 442銘柄
値下がり銘柄 1127銘柄
騰落レシオ 81.74% ▼4.84%

日経平均

週末の米国市場が軟調となったことや為替が円高に振れたこと、政局の混乱に電力会社の問題が浮上して軟調

 週末の米国市場が軟調となったことや為替が円高に振れたことなどから売り先行となりました。ただ、週末のヘッジ売りの買い戻しも入り底堅い始まりとなったのですが、外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が株数では買い越しながら金額では売り越しと伝えられたことや朝方新聞の電子版で電力会社の「法的整理」に言及したインタビュー記事が伝えられて電力株が売られ下値を試す動きとなりました。それでも持高調整の買い戻しかETF(上場投資信託)組成に絡む動きか何かで主力銘柄の一角に買いが入って指数を下支え、総じて軟調ながらも下値も限られると言う展開でした。

 後場もいつものことながら方向感に乏しい展開となりました。為替も債券もほとんど動きはなく、手掛かり材料に乏しく、指数もほとんど動きはありませんでした。幕間つなぎとして買われる銘柄は目先筋の買いを集めて堅調となるものもみられましたが、わかり易い材料や値動きの良さだけを好感するような動きで、あくまでも目先的な動きに過ぎないと言う感じです。政局の混乱に拍車がかかり、政策の方向感も大震災からの復興も先が見えないことで物色対象も絞り切れず、方向感に乏しい展開となったものと思います。

 小型銘柄はまちまちとなりました。値動きの良さから買いを集めるものもみられましたが、他の銘柄に波及するでもなく、逆に動きが止まると手仕舞い売りに押される格好となりました。東証マザーズ指数は大幅高となりましたが、日経ジャスダック平均、ジャスダックTOP20は軟調となりました。先物は週末のSQ(特別清算指数)を控えて持高調整の売り買いやロールオーバー(乗換)の動きが主体で方向感はみえにくい展開でした。仕掛け的な売り買いもなく、指数を大きく動かすような場面はありませんでした。

 相変らず持高調整の買い戻しやヘッジ売りの買い戻し、ETF組成に絡む買いがみられるだけで、いっこうに腰の据わった買いはみられません。今に始まったことでもないのですが、良いところを買っても利益が出るとすぐに売ってしまうと言うような動きが多く、相場全体の方向感を持って売り買いしているような動きには乏しいと思います。9500円〜600円と言う水準も下値としてみるよりは目先的には「上値」とみられてしまうのかもしれません。これまでの9500円〜600円水準を割り込み、今度は下値が9200円〜300円、上値が9500円〜600円と言う水準でのもみ合いとなって来そうです。明日一気に9500円水準まで戻すようであれば、まだ9500円〜600円水準が下値と言うことになりそうです。

テクニカル分析

日経平均

 雲のねじれの日柄で雲をしっかりと割り込んで調整となりました。まだもみ合いの範囲内と言う見方も出来ますが、今度は戻りも雲に上値を押さえられることになりそうです。RSIもストキャスティックスも下落となり、下値を探る展開となって来そうです。下値の節目とみられる9200円〜300円水準で下値を固める展開となる可能性もありそうです。一気に雲を抜けるような戻りがあれば、9500円〜600円水準を下値としても良いのだと思います。

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