政局の混乱に電力会社の問題が浮上して軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年06月06日 16時08分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 先週末の米国市場が軟調となったことや電力会社の「法的整理」が話題になったこともあり、軟調となりました。寄り付きこそ週末のヘッジ売りの買い戻しなどもあって底堅さが見られたのですが、寄り付きの買い戻しが一巡となると下げ幅を広げる展開となりました。それでも、特に材料が出ていると言うわけでもない主力銘柄の一角に買いが入って堅調なものが散見され指数を下支えする格好となりました。持高調整の買い戻しかETF(上場投資信託)組成に絡むような買いではないかと思われます。

 引き続き冴えない相場が続いていますが、本当に先がみえないなかで投資するにもしようがないと言うような感じです。先週末にも述べましたが規制緩和すると言うことが市場の活性化を計るには一番良いことであり、今のような規制強化ばかりでは一向に活性化しないと思います。もちろん、明らかな違法な株式取引等がみられ、投資に関する詐欺も依然として多いことが問題なのだと思いますが、バブル退治に使ったような手法をいまだに使っていると言うことはおかしいと思います。

 周りを見ても証券業界から退場した人間も非常に多く(筆者自身もリストラの憂き目にあいましたが)、証券市場での生き残りがますます激しくなって来そうです。手数料「自由化」がその証券界衰退の要因の一つと思っていますが、手数料「だけ」自由化し、証券会社に対しての規制はかなり強化されたことが証券界衰退の要因だと思います。手数料を自由化することは良いのですが、対面営業などは逆に「○○をしてはいけない」と言うことが非常に多くなり、株式投資をしてをいけないのかとも思うようなことが多くなっています。

 自由化するのであれば、インターネットを利用した投資勧誘やメールマガジンなどの投資参考資料なども規制を緩和して欲しいと思います。基本的に証券マンは「専門家」であり、「専門家」の特権を生かせるようなものがなければならないのではないでしょうか。交通取り締まりと同じで、取り締まり易いところから取り締まる、規制を強化しやすいところから規制すると言うような感じではないかと思います。また、規制を強化すると言うことばかりではなく、証券取引活性化も是非金融当局にも考えてもらいたいものです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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