早稲田大学卒業後、日本エル・シー・エーに入社。現在は同社で執行役員。住宅業界向けコンサルティングで、日本最大規模の実績を誇る住宅不動産事業部の事業部長を務め、これまで50社以上の支援を行う。1年間のうち、300日以上講演や研修を行い、その研修生は年間でのべ4000人以上に及ぶ。住宅・不動産業界の未来を見据えた業界動向のほか、全国各地の工務店やデベロッパー、ハウスメーカーの個別事情に精通している。
また住宅業界の専門誌などで、数多くのコラム連載を行っている。経営コラム「住宅業界を斬る!」を連載中。
前編の「そこには何があった? 家の床下に潜入してみた」では、築20年以上の空き家の床下に潜る様子をお伝えした。さらに奥へ進むと、どんなモノが待ち受けているのだろうか。ガイド役の西田光吉社長(無垢スタイル建築設計)とともに進んでいった。
早速、床下に場面を戻そう。築20年以上の空き家の床下に、西田氏と筆者の2人がいる。
床下の木材は、想像以上に腐敗が進んでいた。住宅の土台となる木材が、このように崩れ落ちていては、地震のときに倒壊せずにいられるのだろうか。床下の湿気対策や換気が重要であるとは再三言われているが、改めてその重要性を実感した。
西田社長は木材の腐敗についてこう説明する。
「木材の含水率(水を含む率)が20〜30%を超えると、もう危険ですね。腐朽菌(ふきゅうきん)が広がりやすい含水率になり、腐敗につながることはもちろん、シロアリの誘致にもつながります」
さらに奥に進んでいくと、水が滴っているところがある。これは浴室の近く。水周りは水漏れしやすいのだ。
「水が漏れてしまっていますね。こういう状態だと腐りやすいし、シロアリも発生しますよ」
その木は水分が含まれているためか、ボロボロだった。
「薄い縦線みたいなものがあるの見えますか? これはシロアリが通る道で、蟻道(ギドウ)って言うんです。つまり『シロアリがすでにいる』ということです」
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