「日本売り」の様相で大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年04月05日 16時28分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9615.55円 ▼103.34円
売買高 26億1850万株
売買代金 1兆5335億3500万円
値上がり銘柄 148銘柄
値下がり銘柄 1489銘柄
騰落レシオ 87.83% ▼11.77%

日経平均

原発問題に進展は見られず、引き続き「日本売り」の様相で大幅下落

 米国市場が底堅い堅調な展開となったことから買い先行となりました。為替も円安一服とはなったものの円安気味で堅調な始まりとなりました。ただ、外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が昨日と同様に金額は買い越しながらも株数では売り越しと伝えられたこともあり、寄り付きの買いが一巡となった後は手仕舞い売りや見切売りも嵩み軟調となりました。全体的に買い気に乏しく、底堅さも見られずじりじりと値を消すものも多く見られました。

 後場は底堅さを確認して買戻しも入り一旦は戻り歩調となりました。ただ、原子力発電所問題にいっこうに進展が見られず、逆に悪化しているような感じで、円安に振れても反応は鈍く、戻りも鈍く冴えない展開が続きました。計画停電への対応として蓄電池関連などに高いものも見られ、薬品株などもディフェンシブ銘柄として買われましたが、物色も限られ指数を下支えするまでには至らず、最後まで買い気に乏しい展開で売り直されて大幅安となりました。

 小型銘柄も見切売りに押されるものが多く、総じて冴えない展開となりました。買い手掛かりに乏しく、東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均、ジャスダックTOP20と揃って大幅安となりました。先物もまとまった売り買いはほとんど見られませんでしたが、その分、小口の見切売りに押されてあっさりと値を崩すような動きとなりました。先物主導ということでもないのですが、小口の売りが続く場面もあり、指数を下押す場面もありました。

 原子力発電所の放射能を陸に出すのか海に出すのかの選択を迫られているようで二進も三進もいかず、「日本売り」につながっているようです。東京電力(9501)の責任問題云々という時期でもなく、賠償などよりもとにかく放射能を止めることが大切なのですがいっこうに進展が見られないことで、海外投資家が「日本売り」に出ている可能性もありそうです。債券には買戻しも入り堅調となる場面もあり、株式市場もディフェンシブ銘柄が買い戻しで堅調となっているのですが、これも「日本から脱出」のための手仕舞いの買戻しかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

 転換線のサポートを確認するよに軟調となりました。RSIは上昇が続いているのですが、上値余地も少なくなり、ストキャスティックスは高値圏からの下落となっており、引き続き調整となるものと思います。一旦は基準線のサポートを試すような展開になるものと思われ、上値の重さを嫌気するように調整となりそうです。

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