不透明感が強くじり安の展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年03月28日 17時20分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9478.53円 ▼57.60円
売買高 28億6880万株
売買代金 1兆6418億3100万円
値上がり銘柄 930銘柄
値下がり銘柄 654銘柄
騰落レシオ 87.31% △1.95%

日経平均

最後は期末の買戻しなどもあり下げ幅縮小だが、米国株高を受けて堅調な始まりも不透明感が強くじり安の展開

 週末の米国市場が堅調となったことや為替も円安となったことなどから、買い先行となりました。週末のヘッジ売りの買戻しも入り、外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が引き続き大幅買い越しと伝えられたこともあって買い先行となりましたが、寄り付きの買いが一巡となった後は原子力発電所事故の進展が見られないことなどを嫌気して手仕舞い売りが嵩み軟調となりました。期末ということで、配当の動向などが不透明ななかで手仕舞い売りも多く、大きく下押すこともありませんでしたが冴えない展開となりました。

 後場に入ると為替は円安に振れたのですが、特に輸出株が買われるということもなく、債券も売られるなど「日本売り」とばかりに上値の重さを確認すると売り急ぐ動きもあって大幅下落となりました。散発的に売られ過ぎたもの、買われていなかったものが買戻しで堅調となっていたのですが、総じて軟調となりました。業種的に何が売られているということでもなく、最後は買戻しや指数構成銘柄変更などに絡む買いあったのですが、総じて見ると買い気に乏しい感じで、じりじりと値を崩す展開となりました。

 小型銘柄も見切売りに押されるものが多く、総じて軟調となりました。東証マザーズ指数とジャスダックTOP20は大幅下落、日経ジャスダック平均は底堅いながらも軟調となりました。先物は前場はまとまった売り買いも少なく、寄り付きの買戻しが目立った程度でしたが、午後になると期末のヘッジ売りもあってか、まとまった売りが断続的に見られ、指数を下押す場面もありました。むきになって売り叩くということもなかったのですが、ちょっとした売りで押されるもので値動きの良さを見て売り急ぐ動きもあったものと思います。

 先物の証拠金が変動が大きいことから今週から大幅に引き上げられた影響もありそうです。期末ということでそれでなくても持高調整の売り買いなどで振らされることも多いと思われ、特に大震災の影響で期末の配当見通しが不透明となるものが多く、手仕舞い売りも嵩んだものと思います。大震災の影響も電力会社を筆頭にかなり深刻なところも見られます。未だに工場などの再開のめども立たないところも多く、買戻し一巡となったもの、戻り一服となったものは手仕舞い売りが嵩んだものと思います。原子力発電所問題が解決、あるいは大震災の復興が見えるまでは一進一退の動きとなりそうです。

テクニカル分析

日経平均

 基準線に上値を押さえられながら軟調となりましたが、依然として先週火曜日の陽線の中での動きとなっています。もみ合いが続いて方向感が見られないと言うことですが、RSIもストキャスティックスも上昇が続き上値余地もあり、下値を試すと言うよりも売られれば買われるというようにもみ合いが続くものと思います。基準線に絡みながらの動きが続きそうです。先週火曜日の陽線をどちらに離れるのかも注目されます。

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