日本の大地震の影響が懸念されて一時大幅安清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年03月15日 08時52分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>9620.49▼633.94

<TOPIX>846.96▼68.55

<NYダウ>11993.16▼51.24

<NASDAQ>2700.97▼14.64

<NY為替>81.63▼0.25

日本の大地震の影響が懸念されて一時大幅安

 東日本巨大地震の影響で日本経済が停滞、世界景気の拡大、回復に影響があるのではないかとの懸念が強まり売り先行となりました。保険金支払いや日本の金融市場に対する懸念、資産価格の下落などが懸念されて保険株や銀行株が売られ、原子力発電所の爆発事故を受けて原子力発電関連に対する不信感なども強まり、原子力関連銘柄が売られ、日本からの部品の供給への懸念から売られる銘柄も見られました。

 一時大幅下落となったものの最後はM&A(合併・買収)に絡む話題や高機能携帯端末の販売が好調ということで、米個人消費回復期待も根強く下げ渋りとなりました。日本企業の存在感は示されたのですが、今後は復興需要に対する期待などが取り沙汰されることになりそうです。少なくとも金融面での不安が薄れれば堅調な展開が見られるのだと思います。加えて中東情勢なども再度懸念される動きで戻りも鈍いのだと思います。

 個別には多機能携帯端末の販売が好調と伝えられたアップルが小幅高、部品を供給しているテキサス・インスツルメンツ(TI)も高くなりました。ただ、インテルやIBMは景気回復鈍化懸念も根強く、軟調となりました。東日本巨大地震の影響で部品供給に懸念があるとしてボーイングが軟調、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど金融株も影響が懸念されて売られました。日本の景気回復鈍化が米国景気に与える影響が懸念されてGE(ゼネラル・エレクトリック)などは軟調となりましたが、復興需要期待も強く、キャタピラーは高くなりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は地震の企業業績への影響、日本経済への影響が懸念されて大幅下落となりました。損失を限定するための売りや信用取引の「追い証」回避のために手仕舞いを急ぐ動きもあって大幅下落となりました。海外市場動向などを気にするというよりはとにかく危険を回避したいと言うことで、売り急ぐ場面も多かったものと思います。日銀の資金供給を評価して下げ渋る場面もあったのですが、地震の影響が甚大で買いも限られてしまいました。

 米国市場が日本の巨大地震の影響が取り沙汰されて軟調となったことで、日本市場も引き続き下値を探る展開となりそうです。シカゴ市場(CME)の日経平均先物は日本市場の終値よりもさらに軟調となっていますが、巨大地震への個別企業の影響を織り込んだとしても売られすぎと言う感じでもあり、底堅さは見られるのではないかと思います。原子力発電所の問題を含め、電力供給の問題が懸念されて、大きく戻すにはもう少し、先が見えるようになってからと思われ、引き続き地震の影響の大きな銘柄を中心に下値を探る展開となるのでしょう。

 日銀の迅速な金融政策が評価されれば、復興需要期待もあって底堅さが見られるものと思います。昨年8月の8800円は行き過ぎと見て、下値の節目となって来るのは9000円を意識する水準となりそうです。原子力発電所の問題が片付けばそこで底堅さも見られるのでしょうし、巨大地震の影響を勘案しても9000円水準では下げ止まるものと思われます。復興需要期待次第でしっかりと戻りを試す動きも見られそうで、企業の受けた損害が判明するに連れて底堅さが見られ、10000円水準回復となって来るのだと思います。

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