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» 2011年03月10日 08時00分 UPDATE

世の中の動きの個人資産への影響を考えてみる:銀行が住宅ローンに力を入れる理由 (1/3)

銀行が住宅ローンの金利競争を繰り広げている。当初の貸出金利は金利優遇によって1%前半のところが多く、調達金利を考えると「逆ザヤ=赤字」状態だ。赤字にも関わらず、なぜ銀行は住宅ローンに力を入れているのか。その理由に迫った。

[川瀬太志,Business Media 誠]
誠ブログ

 銀行の住宅ローン金利をご存じでしょうか? 当初の貸出金利は金利優遇によって1%前半のところが多いですが、銀行の調達コストは1.2%ほど。貸出時点を見ると、調達金利よりも運用金利の方が低く、「逆ザヤ=赤字」の状態になっています。

 なぜ銀行は金利を優遇してまで、住宅ローンを積極的に推進しているのでしょうか。その答えは「お金が余っているから」。このことは前回のコラムで紹介しましたが(関連記事)、今回は別の理由に触れたいと思います。

住宅ローンの安全度は10倍

 銀行が住宅ローンの競争を繰り広げる背景に「住宅ローンの貸し倒れ損失が少ない」ことが挙げられます。「デフォルト率」ってご存じでしょうか? いわゆる“貸し倒れ率”のことです。地域や時期によって違いますが、一般的に法人向け融資のデフォルト率は2〜3%ほど。

 それに対して住宅ローンのデフォルト率は0.2〜0.3%ほど。企業向け融資に比べて、個人向けの住宅ローンは貸し倒れになる確率が10分の1なのです。銀行にとって住宅ローンは、企業向け融資よりもかなり安全な資産ということになります。

 また銀行がローン実行時に顧客からいただく手数料に「ローン保証料」というものがありますが、それは「融資額の0.2%」ほど。つまり、デフォルトがローン保証料の範囲内でしか起きていないので、銀行にとってみればほとんど貸し倒れ損失が発生していないことになります(今後のことは分かりませんが)。

 住宅ローンは「自宅」という家族にとって大切なものへのコスト。旦那さんの給料が減少すれば、奥さんがパートにでたり……という家族も多いでしょう。また住宅ローンには返済が難しくなったときでも救済措置があるので、そう簡単にはローン破産に陥りません。

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