ナスダック指数は連日の大幅下落清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年02月24日 08時35分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>10579.10▼85.60

<TOPIX>946.88▼9.82

<NYダウ>12105.78▼107.01

<NASDAQ>2722.99▼33.43

<NY為替>82.50▼0.27

原油高の景気への影響が懸念されて軟調、ナスダック指数は連日の大幅下落

 好調な決算を発表するものや中古住宅販売も予想を上回ったのですが、依然としてリビア問題や他の中東諸国での騒乱を懸念して原油価格が高騰していることから、世界的な景気への影響が懸念されて一時大幅下落となりました。大手電機の芳しくない決算もあり、個人消費関連銘柄や景気敏感銘柄を中心に売られ、指数も大きく下押しました。それでも、原油価格上昇の恩恵の期待できる石油株の一角が堅調となるなど、信用収縮からの売り急ぎのようなことでもなく、下値を探る展開から最後は買戻しも見られました。

 スタグフレーション懸念と言うところまでは行かず、信用収縮懸念からの売り急ぎと言うことでもなく、まだここまでの大きな上昇の調整と言う雰囲気ですが、高止まりとなるにしてもいったん原油価格の上昇が止まる、つまり、中東・北アフリカ情勢が落ち着かないことには買いも手控えられそうです。原油高にも関わらず、景況感は良好と言うようなことが示されれば、景気回復度合いを計りながら買い直されることになるのでしょう。

 個別には中古住宅販売が予想を上回ったことや朝方発表した決算が黒字を確保したことが好感されてトール・ブラザーズが堅調、サックスは好調な決算を発表しながら、原油高の個人消費への影響が懸念されて売られ予想を下回る売上高となったHP(ヒューレット・パッカード)は投資判断の引き下げが相次いだこともあり、大幅下落となりました。個人消費関連や景気敏感銘柄は総じて軟調、キャタピラーやアルコア、GE(ゼネラル・エレクトリック)、ウォルマートなどは売られました。それでも売られすぎた銘柄の反発もあってアップルは堅調、金融株もまちまちでJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなどは軟調ながらも底堅くなりました。エクソン・モービルなどの石油株、ニューモント・マイニングなどの金鉱株は軒並み堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安を受けて売り先行で始まり、底堅さを確認して戻す場面もあったのですが、持高調整の売り買いや円キャリー取引の解消のような売り直しもあり軟調となりました。中東情勢が気になり、売り一巡感となっても買い急ぐような動きは見られず、逆に持高調整の買戻しが一巡となると見切売りも嵩むというような展開となっています。中東情勢の落ち着きや為替の落ち着きが見られないうちは調整が続きそうです。

 米国市場は軟調、大幅下落となり、為替も円高に振れており、軟調となりそうです。ただ、米国に先んじて調整となっていたこともあり、底堅さも見られるものと思います。新興国の景気拡大は期待されるものの中東や北アフリカ情勢の緊迫化が続いているうちは積極的には買い上がれず、売り急ぐ動きは一段落となっても戻りも限定的となりそうです。業種別などの物色と言うよりも売られすぎたものの反発や個別の材料での物色となりそうです。

 シカゴ市場(CME)の日経平均先物は米国株安の割りに底堅く、引き続き10500円〜600円水準での底堅さを試す動きとなりそうです。買戻しを急ぐような材料も特にないことで上値も限定的、10600円を超えて買い上がるような状況でもないのでしょうが、持高調整の売り買いが中心の相場展開であり、昨日同様に指数には底堅さも見られるものと思われます。依然として10500円〜600円を底値に10800円〜900円水準でのもみ合いが続いているということなのだと思います。

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