住宅指標の好転や好調な企業決算を受けて堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年02月17日 08時42分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>10808.29△61.62

<TOPIX>967.30△4.73

<NYダウ>12288.17△61.53

<NASDAQ>2825.56△21.21

<NY為替>83.63▼0.15

住宅指標の好転や好調な企業決算を受けて堅調

 朝方発表された住宅着工件数が予想を上回って大幅に増加したことが好感され買い先行となりました。中東情勢の不安拡大が原油先物価格の上昇や、ドルを買う動きにもつながり、総じて堅調となりました。原油相場の上昇を受けて石油株や素材株も高く、好決算にも素直な反応となって指数も堅調となりました。新興国が牽引して景気が回復、雇用や個人消費、住宅指標も回復が確認され、堅調な地合いとなっています。

 これまでの景気回復の過程、ドル安政策や金融緩和の効果が個人消費、雇用、そして住宅指標の回復にも表れてきたということで、素直に好業績銘柄などを買い直す動きとなったようです。中東情勢の不安や新興国のインフレ懸念などは相変わらず気になるところではあるのですが、足元の好調な業績経済指標の改善を受けて堅調な相場が続くとの期待もあるようです。今後も景気回復度合いに合わせるように堅調な地合いが続くものと思われます。

 個別には原油先物価格の上昇からエクソン・モービルやシェブロンが買われ、景気回復期待が根強くアルコアやキャタピラーなど景気敏感株も高くなりました。住宅指標の好転からレナーなど住宅株、ホーム・デポなど住宅関連銘柄やJPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカなど金融株も高く、デルが好決算を発表して買われ、インテルやアップル、IBMといったハイテク銘柄も総じて堅調となりました。好決算を発表したディア(農業機械)も堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は円安を好感する動きや持高調整の買戻しなどもあって堅調となりました。上値の重い場面もあったのですが、円安ということでハイテク銘柄の一角が高く、持高調整の買戻しがあって銀行株や不動産株なども高いといった状況で総じて堅調となりました。ただ、商社株や自動車株など好業績を織り込みながら既に買われていた銘柄は利益確定売りに押されるものもあり、指数の上値も限定的となりました。

 米国市場が堅調、為替も円安気味ということで、堅調な展開が期待されます。決算発表が出揃ってきたところで、企業業績の着実な回復が確認され、為替が円高に振れ難くなったということが確認されれば上値を試す動きとなるのでしょう。中東情勢の不安が湾岸諸国に波及して来たことは「石油」と言う観点から日本にとっては脅威となり、利益確定売りと同様に上値を押さえる要因となって来るのでしょう。引き続き好決算を発表しながら売られた銘柄などので直りが期待されます。

 日経平均は10800円〜900円の節目を試す動きとなっています。一気に11000円に乗せるというよりは一旦は10900円水準で上値も重くなるものと思います。中東情勢が緊迫度を増して来るようであれば再度10500円〜600円水準での底堅さを確認することになるのでしょうし、円高や原油価格に対する懸念が薄れ、来期業績の回復が期待されるような展開になれば、期末を意識した持高調整の売りなどもこなしながら10800円〜900円水準の節目を抜けて来ることになるものと思います。

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