手仕舞い売りが嵩んで軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年02月16日 08時55分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>10746.67△21.13

<TOPIX>962.57△3.38

<NYダウ>12226.64▼41.55

<NASDAQ>2804.35▼12.83

<NY為替>83.78△0.46

予想に届かない小売り売上高をきっかけに手仕舞い売りが嵩んで軟調

 目先的な過熱感が強いなかで、朝方発表された1月の小売り売上高が予想に届かなかったことや原油価格が下落したことから手仕舞い売り、利益確定売りが嵩んで軟調となりました。下値をむきになって売り叩くということもなく、押し目では買戻しや買い直しは見られるのですが、目先的な過熱感も強いことから、積極的な買いは見られず軟調となりました。景気回復が期待されることから、先高期待も強いのでしょうが一旦利益を確保するという動きとなりました。

 期待された小売り売上高が思ったほど伸びなかったことが嫌気され、エジプト騒乱の一段落で原油価格の上昇も一服となったことで資源・エネルギー株が売られました。ただ、今後も景気の回復が期待されるなかで、新興国を中心に需要増からの資源価格、エネルギー価格の上昇が見込まれることから、売り急ぐ動きもありません。インフレ懸念が強まるまでは資源価格の上昇も新興国を中心とした世界経済の拡大と捉えて、堅調な動きが続くと思います。

 個別には原油価格が下落したことでエクソン・モービルやシェブロンなどの石油株は売られましたが、金先物価格は堅調でニューモント・マイニングなど金鉱株は堅調、利益確定売りに押されてインテルやIBMなどは軟調ですが、アップルは堅調というようにハイテク銘柄はまちまち、銀行株もバンク・オブ・アメリカが軟調、JPモルガンチェースが堅調と、まちまちとなりました。素材株は軟調となるものが多く、モンサントが大幅下落、アルコアも軟調となりました。小売り売上高は予想を下回り、コストコやメーシーズは軟調となったのですが、ウォルマートは堅調となるなど、売り急ぐというよりは利益確定売りが中心となっていたようです。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は日銀の景気判断の一歩前進や中国のインフレ懸念の一歩後退を受けて堅調となりました。ただ、目先的な過熱感が強いことや買戻し一巡感からの手仕舞い売りもあって上値の重い展開となりました。資源関連銘柄に高いものが見られたのですが、ハイテク銘柄の一角や金融株など内需銘柄の一角に軟調なものが見られ、指数の上値も限定的となりました。

 米国市場は軟調となりましたが、為替が円安に振れたことで、好決算を発表しながらも手仕舞い売りに押されていたようなハイテク銘柄などを見直す動きもありそうです。目先的な過熱感は強いのですが、決算を発表していったん利ます。中国の利上げ懸念も薄れており、中東情勢などはまだ懸念されるところですが、海外で堅調な業績が期待される銘柄は円安を素直に好感する動きとなるのでしょう。

 日経平均は好決算銘柄の買い直しなどが見られると10800円〜900円水準を目指すことになるのだと思います。持高調整の売り買いも一段落となり、決算をにらんだ手仕舞い売りもあるのかもしれませんが、一旦はどこまで戻るのか見極めるような動きになるものと思います。下値は10500円〜600円水準での底堅さを確認することになるのでしょうが、本日は10700円を割り込むような場面では買いも入ると思います。

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